842:世界の視力検査
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
寒い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「世界の視力検査」です。
視力検査とは
視力検査とは、目の健康状態を確認し、視力の程度や問題があるかどうかを測定するための検査です。この検査では、目の屈折異常(近視、遠視、乱視など)やその他の視覚に関連する問題を発見することができます。視力検査は、日常生活における視覚の問題を把握し、視力の低下や疾患を予防・治療するために非常に重要です。レンズを入れないで測った時の視力を裸眼視力、レンズで矯正した視力を矯正視力といいます。
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世界で使用されている視力表
・ランドルト環
日本で一般的に使用される「C」字型のマークを用いた視力表です。このマークには、上下、左右、斜めのいずれかに隙間が開いており、その開いている部分を識別することで視力を測定します。検査は、片目を遮蔽板で覆った状態で、レンズの着脱ができるメガネ型のフレームを使用して行います。視力検査の目的は、ランドルト環の切れ目が見えるかどうかを確認することにあり、眼科での視力検査は「最小分離閾」を測定していることになります。最小分離閾とは、2点または2本の線が識別できる最小の距離を指します。視力検査中に「Cのマークがぼやけて見えても問題ないですか?」と質問されることがありますが、最小分離閾を測定しているため、ぼやけていても切れ目がわかれば視力が確認できていることになります。
・Eチャート
Eチャートは、アメリカや中国などで広く使用されている視力検査表で、アルファベットの「E」を使って視力を測定します。この視力表では、ランドルト環と同様に「E」の向きを識別することが求められます。具体的には、Eが上向き、下向き、右向き、左向きのどれであるかを答える形式です。視力検査を行う距離は、ランドルト環が5メートルであるのに対し、Eチャートは6メートルの距離から測定します。
・スネレン視標
スネレン視標は、主に欧米で広く使用されている視力検査表です。視力表には、異なる大きさのアルファベットが11行にわたって印刷されており、最上段の大きな文字から順に、下に行くにつれて小さな文字を読んでいくことで視力を測定します。この検査は、Eチャートと同じく6メートルの距離から行います。
視力の表記方法
スネレン表やEチャートでの視力の表記方法は、日本のように1.2などの小数点形式ではなく、分数形式で表されます。例えば、視力が1.0に相当する人が20フィート(約6メートル)離れて視力表の文字を識別できれば、その視力は20/20(または6/6)となります。この表記方法は、視力検査の基準として広く採用されています。
- 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談してください。
- 一般の方向けですので医学用語が必ずしも厳密ではありません。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。