828:デジタル眼精疲労
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
秋も深まり肌寒くなってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「デジタル眼精疲労」です。
「眼精疲労」とは、目を使う作業を続けることによって、痛み、疲れ、充血、かすみ、まぶしいなどの症状や頭痛、肩こり、吐き気など、目以外の症状を伴った状態をいいます。ひと晩ぐっすり眠れば、疲れが取れるという点で「疲れ目」とは区別されています。
1.デジタル眼精疲労とは?
「眼精疲労」の中でもデジタル機器の長時間の利用によって起こる「デジタル眼精疲労」を訴える方が近年増加しています。
デジタル眼精疲労の主な原因として以下の理由が考えられます。
① 目の酷使
パソコンやスマートフォンの画面を至近距離で長時間見続けると、目の筋肉が凝り固まり、ピント調節機能が低下します。目の緊張状態が続くと、頭痛や目の痛みが起きることがあります。
② 同じ姿勢での長時間の作業
長時間の作業でずっと同じ姿勢のままでいると、筋肉疲労が起こります。そうすると、血行が悪くなり、肩こりが生じやすくなります。
③ 目の乾き(ドライアイ)
パソコンやスマートフォンの画面を見続けることでまばたきの回数が減少し、目の表面から涙が蒸発しやすくなります。目の乾きによって角膜がダメージを受けると、目の痛みや疲れ、充血の原因になります。
2.目の疲労を避けるために
眼精疲労は原因を突き止め日常生活に工夫をすれば、改善が期待できます。
デジタル眼精疲労の予防として以下が挙げられます。
・長時間の作業を行う際には1時間に10分程度の適度な休息を取る。
・軽い体操をして体をほぐしたり、遠くの景色を見て目の疲れを取る。
・パソコン画面の位置を目線よりも低くする。
・室内の照明環境を明るく保つ。 (暗い部屋での作業は避ける。)
3.デジタル眼精疲労の治療
病気からくるものでなければ点眼による治療が主です。調節機能の改善のための点眼薬やドライアイに対する点眼薬が処方されることがあります。他にも、眼を温めることにより、血液の循環を良くして、目の周辺にある筋肉の緊張を和らげる温罨法といった治療方法もあります。温罨法はマイボーム腺の油分の分泌を促進させるためドライアイを改善する効果も期待できます。
当法人ではドライアイ専門外来で診察しておりますのでご希望があればご予約ください。
上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談してください。
●一般の方向けですので医学用語が必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先させてください。