827:青い目・茶色い目、なんで違うの?
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
清秋の候いかがお過ごしでしょうか。
今日のテーマは「青い目・茶色い目、なんで違うの?」です。
皆様は、人種などによってなぜ目の色に違いがあるのか、不思議に思ったことはありませんか。
「目の色」は、「虹彩」(「くろめ」にあたる部分)の色のことを言います。
虹彩の色が違う理由は、大きく分けて2つあると考えられています。
【1.遺伝子による違い】
まずは、遺伝子による違いです。
虹彩の色を決める遺伝子はたくさんあるようですが、主に2種類あるといわれています。
染色体15 EYCL3優性=茶色、劣性=青色
染色体19 EYCL1優性=緑色、劣性=青色
これらの組み合わせによって目の色は決まるといわれています。
目の色を決定する遺伝子はそれぞれなので、人により色が異なります。
【2.メラニンの量による違い】
メラニンとは太陽光線に含まれる有害な紫外線を吸収することで私たちの身体を守ってくれる色素で、目だけではなく髪や皮膚にもあるものです。
目の色は、虹彩の中のメラニン色素の量によって決まるといわれています。つまり、虹彩の中のメラニンが多いと暗い色になり、少ないと明るい色になるということです。肌の色とも相関関係があり、肌の色が薄い(明るい)人は、瞳の色も薄かったりします。
一般的に、日光の照射率が高い国では、紫外線から守るために、虹彩内にメラニン色素が大量に蓄積され黒色や茶褐色の目になります。 反対に、日光の照射率が低い国では、虹彩内のメラニン色素の量が少なく、青色などの薄い色の目になるといわれています。
また、同じ人でも、一生の間でメラニンの生成量が少なくなったり、日光の照射率が違う土地へ住んだりすると、目の色も変わります。生まれ育っている場所の日照条件などにより、このメラニン色素の量が変化し、瞳の色の違いを生みます。日照条件でのメラニン量は、大体生後6ヶ月で決まるそうです。
瞳の色は、育った環境によっても異なっていくということです。
緑内障の薬である、PG製剤(プロスタグランジン製剤)の目薬を使っていると、虹彩内のメラニンが増加し色が変わる副作用が起こります。
日本人に多く見られる茶色の瞳が、PG製剤を使っているとより暗いこげ茶色に変色するのです。主なPG製剤にはキサラタン、タプロス、ルミガン、トラバタンズなどがあります。
またPG製剤にはこのほかに、白目が充血したり睫毛が伸びたりする副作用もあります。PG製剤の点眼をやめると、睫毛は元に戻っても、虹彩の色は元に戻らない事が多いです。
当院には緑内障外来もございます。
PG製剤を使用していて、虹彩の色素沈着に気が付いた場合は医師にご相談下さい。
- 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
- 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。