816:基礎検査の重要性
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
うだるような暑さが続いておりますが、皆様お障りなくお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「基礎検査の重要性」です。
当院では皆様に視力検査・眼圧検査の基礎検査を行ってから診察を受けていただいておりますが、なぜこれらの検査が必要なのでしょうか?
視覚の情報は80%を占めていると言われており、目は大切な臓器です。その異常を早期発見するために基礎検査があります。
【視力検査】
視力検査では、「オートレフケラトメーター」を使って目のデータを取り、裸眼の状態や矯正するレンズを入れた状態でどのくらい見える力があるかを測定します。3m離れた「ランドルト環」と呼ばれるアルファベットのCのような指標を使って、指標の空いている方向を正しく答えられるかどうかで視力を測定しています。
視力は「0.1」「0.5」「1.0」といった数字で表し、1.0以上出ていれば、眼科では正常と言われている数値です。
視力検査の目的は、眼疾患を見つけ出すことです。日頃両目で物を見ていると、視力が低下していても気が付かないこともあります。眼疾患の多くは視力に影響するため、視力が低下した場合には、眼の病気によるものなのか、それとも近視・遠視・乱視などの屈折異常によるものか原因を探る必要があります。視力検査を受けることで、屈折異常の進行や眼疾患の早期発見に繋げることが出来ます。
【眼圧検査】
眼圧検査では、「ノンコンタクトノメーター」と呼ばれる機械を使って目に軽い空気を当て、へこみ具合から目の硬さを測定します。機械から風が出て驚いてしまうこともあると思いますが、目に力を入れたり目を動かしたりすることで数値が変動するため、眼圧検査を受ける際にはリラックスして受けましょう。
眼圧とは目の形状を保っている内側からの圧力のことを言い、眼圧の正常範囲は10mmHg~21mmHgと言われています。ただし、人によっては正常値が変わる場合がありますので、医師の判断によります。
眼圧検査の主な目的は、目の硬さが正常かどうか確認することです。眼圧が高くなると視神経に負担が加わり、緑内障を発症する原因になります。緑内障ははっきりとした自覚症状がなく、見える範囲が徐々に欠けていくため、症状の進行に気づきにくいことが特徴です。眼圧検査は緑内障など目の疾患を早期発見するために重要です。また、ステロイドの目薬を使用することで眼圧が上昇することもあるため、再診された際に処方された目薬の副作用が生じているかどうか確認することができます。
当院では、カルテの情報は5年間保管されるため、基礎検査のデータは目に症状があって受診される際に、屈折異常や疾患の進行の有無を確認する重要な情報となります。基礎検査を受けることによって病気の早期発見、早期治療を行うことができるので、受診される際はぜひ基礎検査を受けましょう。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※ すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。