807:角膜新生血管とは
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
梅雨前線が近づいてきたようですが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
今日のテーマは「角膜新生血管とは」です。
角膜は本来透明で血管の通っていない組織ですが、周りの白目から血管が伸びて侵入してきてしまう症状を角膜新生血管といいます。結膜血管の延長で起こるものは表在性 (パンヌス)、強膜血管の延長で起こるものは深在性に分けられます。
【原因】
角膜新生血管の原因の多くは酸素不足です。角膜は血液の代わりに涙を通して空気中の酸素を取り込んでいます。しかし酸素透過性の低いコンタクトレンズの長時間の使用により角膜が酸欠状態になると、酸素を血液から供給しようと白目から血管が伸びてしまいます。特にソフトコンタクトレンズは目の上で適度に動くハードコンタクトレンズと違い常に黒目を完全に覆ってしまうため、角膜表面の涙の交換が行われず酸素不足になりがちです。
またその他に外傷や炎症に反応して起こる場合もあります。
【症状】
角膜新生血管の初期段階では自覚症状が無いことが多く、眼科で指摘されて初めて気づく方がほとんどです。しかし重度となり血管の侵入が著しいと角膜の濁りが原因で視力が出づらくなる場合があります。
【治療】
症状の初期段階ではコンタクトレンズの使用を中止し酸素不足を解消することで新生血管が細くなることはありますが、完全に消滅することはありません。そのため普段からの予防策が重要となります。
自覚症状が乏しく気づきづらい病気ですので、特にコンタクトレンズを使用している方は定期的に眼科を受診し目の状態を確認するようにしましょう。
また、当院では酸素透過性の高いシリコンハイドロゲルレンズやハードコンタクトレンズの処方も行っておりますので、気になる方は一度受診をご検討ください。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。