805:涙点プラグの種類
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
連休も終わり、だんだんと夏を感じさせる陽気の日が増えてきましたね。お変わりなくお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「涙点プラグの種類」です。
涙点プラグはドライアイおよびシェーグレン症候群の治療に使われる医療用器材です。主に涙液量が少ない疾患に有効な治療方法のひとつで、涙点をプラグで閉鎖する事で涙液を溜めておけるようにします。
涙点は瞼内側の上下にありますが、ドライアイ症状が強い場合などを除き、通常は下側のみを塞ぐ事が多くなります。涙は目を潤すだけでなく、老廃物や異物の排出も行っているため涙点を完全に塞ぐと悪影響が出る場合もあるからです。
また涙が排出されにくくなるので落涙しやすくなったり、目やにが増えたりといった症状が出る場合もあります。
当院では3種類の涙点プラグを利用した治療を行っています。
スーパーフレックスプラグ
シリコン製涙点プラグです。
サイズが豊富なので、涙点が小さい方でも大きい方でも合わせられフィット性、保持性に優れています。
キープティア
コラーゲン製涙点プラグです。
生体適合性の高いアテロコラーゲンを使用しており、体温によりゲル化する特性を利用して、液状のため簡単に充填でき、涙小管内ではやわらかいゲルとなり刺激が少なく、かつしっかりと涙点を閉鎖できます。
コラーゲンは水溶性なため最終的には体内で溶けてなくなってしまいます。
シリコンプラグと比べ装用できる期間が2ヶ月程度(シリコンプラグは個人差があるが、平均7ヶ月程度)と限られていますが、プラグの脱落や異物感といった問題がなく、初めて涙点プラグを使う人でも安心して使えるというメリットがあります。
パンクタルプラグF
新型のシリコン製涙点プラグです。
パンクタルプラグFは涙点へプラグを挿入しやすく、さらに挿入の際にかかる患者様の負担を軽減するため、プラグ挿入前は先端形状をより細長く変形させ先端の膨らみを小さくして涙点サイズの計測を行わなくとも挿入が容易にできるようになっています。
挿入用のインサーターに予めプラグがセットされているため、挿入しやすく、埋没等のリスクも軽減されています。
上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
・一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
・無断での記事転載はご遠慮ください。
・本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。