803:眼瞼下垂とは
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
新緑の季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今週のテーマは『眼瞼下垂とは』です。
【眼瞼下垂とは】
まぶたの筋肉または神経の異常によってまぶたが垂れ下がった状態で、眼を普通に開眼したとき、まぶたが瞳孔(黒目)にかぶさっており、しっかりとまぶたを上まで上げられない病気をいいます。
【眼瞼下垂の原因】
原因は大きく分けて3つあります。
① 先天性眼瞼下垂
生まれつきまぶたが下がっている状態で、まぶたを上げ下げする筋肉である「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」やそれを動かす神経の発達異常によるものと考えられていています。約80%が片側性です。ほとんどの場合、視機能の障害を及ぼすことはなく、通常は手術を急ぐことはありません。しかし、まれに弱視や斜視の原因となる場合もあります。
② 後天性眼瞼下垂
もともとは普通にまぶたが開いていた人が少しずつ、または急にまぶたが下がってきた
状態です。ほとんどの場合は、数年間かけて少しずつ下がってくる「腱膜性(けんまくせい)眼瞼下垂」です。「腱膜」とは、まぶたを上げ下げする筋肉(上眼瞼挙筋)の末端部の膜のことです。これが伸びたてしまうことによる眼瞼下垂を、腱膜性眼瞼下垂というのです。いわゆる「年をとって目が細くなってきた」という場合が多いのですが、長期間にわたりハードコンタクトレンズを付けていた人や眼の手術をした人に起こることもあります。
③ 他の原因による開瞼障害
内科的、神経内科的な開瞼障害もあります。「重症筋無力症」や「ミトコンドリア脳筋症」などが代表的です。直接、形成外科でこれらの治療を行うことはほとんどありませんが、これらにも後天性眼瞼下垂が合併していることもあり、少しでも楽にするために治療をおこなうことはあります。
【自覚症状】
まぶたが垂れ下がる。瞳孔(黒目)に皮膚がかぶさることによる視力低下。
【眼瞼下垂の治療】
アレルギー疾患による場合は、抗ヒスタミン剤またはステロイド剤を服用します。
神経損傷による場合は、医師との相談のうえで外科手術を受けます。(当院では手術は行っておりませんが、診察の上他院を紹介いたします。)
その他の原因による場合は、医師の指示のもと、原因疾患の治療を行います。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。