795:コンタクトにUVカット機能って必要?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
暖かい春の日差しを感じる頃となりましたが皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今週のテーマは「コンタクトにUVカット機能って必要?」についてです。
【紫外線とは?】
紫外線とは地球に到達する太陽光線のうち、波長が短くエネルギーの高い「可視光線」と呼ばれる光のことです。よくUVという言葉を聞きますが、これは紫外線の英語=Ultra Violetの略であり、同様の意味となります。紫外線にはA波、B波、C波の3つがありますが、地上に届いているのはA波とB波のふたつです。
【紫外線による眼病リスク例】
紫外線により目がダメージを受けることで、様々な眼病を引き起こすリスクを高めてしまう恐れがあります。
・紫外線角膜炎(雪眼炎)
雪等に反射した強い紫外線によって角膜などの眼球表面がダメージを受けて発症します。
症状: 眼の違和感、充血、痛み、涙が出る、眩しさ
・翼状片
白目の表面を覆っている結膜が黒目の部分に三角形状に入り込む病気です。
白目と黒目の境界が紫外線によって傷つくことが原因と考えられています。
症状:ドライアイ、眼精疲労、充血、異物感
・白内障
眼の中の水晶体が白く濁ることで見えづらさが生じる病気です。
原因は加齢によるもの多いとされていますが、白目が濁る原因のひとつとして、紫外線の影響が考えられています。
症状:かすみ、眩しさ、ぼやけ、ものが二重に見える
・加齢黄斑変性
加齢黄斑変性症とは網膜にある黄斑に異常が見られる眼病です。
紫外線を浴びると活性酵素が体内にたくさん蓄積されるようになり、網膜の機能を低下させてしまうので要注意です。
症状:物が歪んで見える、見たいものの中心部が暗くなる
【UVカット機能コンタクトとは?】
UVカットコンタクトとは、紫外線を吸収する役割がある「紫外線吸収剤」が含まれたコンタクトレンズのことを指します。この紫外線吸収剤が、紫外線A波と紫外線B波をカットすることにより、レンズが触れる黒目や角膜を保護してくれるのです。
眼は直接外気にさらされているため、紫外線の影響を受けやすい器官です。眼が紫外線を浴びると、その情報が目から脳へ伝わり、メラニン色素が形成されて日焼けの原因になります。
紫外線カット機能の付いたコンタクトを日常から利用することで、そのような日焼けの予防効果が期待されます。
ただ、UVカットコンタクトを使用しても、紫外線を原因とする眼病にかかるリスクを軽減できるかは、臨床試験においてはまだ確認されておりません。また、UVカットコンタクトだけでは、白目の部分を覆うことは不可能なため、眼全体を紫外線から守るためには、UVカットのコンタクトの使用だけではなく、サングラスや帽子、日傘など他の紫外線対策を併用すると、より効果的です
【当院で処方可能なUVカット機能付きコンタクトレンズ】
〈ハードレンズ〉
メニコンZ、アイスト、UV-1、クロスシー等
〈1dayレンズ〉
ワンデーアキビューオアシス、ワンデーメニコンプレミオ、プレシジョンワン、マイディ、アクアロックスワンデーUVシン、ワンデーピュアうるおいプラス等
〈2weekレンズ〉
アキビューオアシス、トータル14、2ウィークピュアうるおいプラス等
〈遠近両用〉
ワンデーピュアイードフ、2ウィークピュアマルチステージ等
〈カラーレンズ〉
ワンデーアキビューディファインモイスト、アイコフレワンデー、フルッティー、ワンデーアイレ、2ウィークアキュビューディファイン等
詳しくはこちら、新宿東口眼科医院 コンタクト診療について(https://www.shec.jp/cl/)をご覧ください。
今回ご紹介したUVカット機能付きのコンタクトに加え、サングラスや帽子、日傘などを上手に組み合わせて使い、大切な眼を紫外線から守るように心がけましょう。
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※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。