793:調節緊張症とは
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
冬の寒風が身に染みる時期となりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
さて、今回のテーマは「調節緊張症とは」です。
・調節緊張症とは
読書やスマートフォン、パソコンなど、近くを見る作業を長時間続けていると、毛様体筋という眼のピント調節を行う筋肉が常に働き続け、近いところにピントを合わせ続けている状態になります。このピントを調節する毛様体筋が持続的に緊張した状態になる事を調節緊張症と言います。
うまく調節ができず緊張した状態が続くことを一時的に屈折力が強くなり、近視に類似した状態になります。そのため視力が不安定になり、目の疲れなどの症状が起きることもあります。
仮性近視とも呼ばれており、子供の視力低下の原因の一つにもなっています。
近くのものにピントをあわせる癖ができてしまい、一時的に近視の状態になります。そのため遠くを見ようとしても、ピントが遠くに合わないことがあります。
これは成長する子どもの目の生理的変化によるもので、病的な要因によるものではありませんが、遺伝や目の近くで行う作業の多い環境の影響があるといわれています。
・調節緊張症の治療法
【点眼治療】
筋肉の緊張をほぐす点眼を就寝前に行います。
点眼後30分から1時間で毛様体筋の緊張は完全に取れ、その状態が5~6時間続きます。
この点眼をすると、瞳が広がり見づらい状態が続きますが、翌朝には元に戻ります。
毎日繰り返すことで、緊張した状態を作りにくい毛様体筋をつくります。
※ ただし近視の進んだ方や成人には効果はあまり期待できません。
・調節緊張症の予防
テレビやパソコン、タブレット、スマートフォンなどの画面はこまめに休憩をとって見続けないようにし、適度に目を休めることが大切となってきます。
ときどき遠くを見て、蒸しタオル等で温めて目の血行を良くしたり、マッサージをするのも効果的です。
更に適度に身体を動かして心身の緊張をほぐしたり、十分な休養と規則正しい食生活を心がけることも重要です。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。