781:ドライアイなのに涙が出る…?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
日暮れが早い季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「ドライアイなのに涙が出る…?」です。
ドライアイとは…
涙液の分泌が少なかったり、または、涙液の安定性が悪いことから、角膜が乾燥して角膜が傷付いたり不快な症状が生じる疾患です。日本では800万人以上もの多くの方がドライアイで悩まされていると推定されており、特にコンピュータを使う現代人や、高齢者、女性に多い傾向にあります。
目はまぶたと涙によって守られています。まぶたによるまばたきが、涙の分泌刺激となり涙を出させたり、目の表面に涙を均一に分布させます。
涙には、
1.目の表面をバイ菌・異物から守る
2.角膜に酸素・栄養を運ぶ
3.ゴミ・ホコリを洗い流す
4.表面を滑らかな状態にして「ものをきれいに見る」動きを支える
役割があります。
涙は油層、水層、ムチン層の3 つの層からなり、まばたきによって眼の表面にベールのような網目状の膜をつくっていますが、涙の働きが低下すると、まばたきしてもこの膜を修復できず、保護してくれるはずのベールは穴だらけのままになり、眼に傷ができる原因にもなります。
傷ができると、外的な刺激を受けたとき、反射的に涙が出てきます。また、冬場になると、寒冷刺激に対するアレルギー反応として涙が出ることもあります。この時期になると角膜が乾燥し、角膜にうるおいを与えるために涙が出てきやすくなります。
つまり、外的な刺激や、アレルギー反応として涙が多くでることがあるのです。
<ドライアイの主な治療方法>
①点眼液による治療
涙液分泌自体を促進させる薬物はなく、人工涙液点眼液で不足した涙液の補充を行う方法です。
涙液分泌が少ない為に点眼液に含まれる防腐剤などの添加物による副作用が起こりやすいので、点眼液は添加剤を含まないものを使用しましょう。
点眼だけでは症状が改善されない場合には、眼を温めると症状が改善し楽になります。当院ではドライアイの治療に「アイホット」という器械を使用できます。
アイホットは皮膚への浸透力のある赤色光を使用したあんぽう器です。マイボーム腺を温めることにより、マイボーム腺の脂分の分泌が促進されます。分泌した油分は目の疲れを癒す最適な油層を目の表面に形成します。アイホットをご希望の方はお気軽にご相談ください。
②涙点プラグによる治療
涙は目の表面から蒸発する以外はほとんどが涙点から鼻に出る為、涙点を閉じて涙の流出を抑え、涙を眼の表面に十分に溜める方法です。
当院では3種類のプラグがあり、パンクタルプラグ・スーパーフレックスプラグ・キープティアを利用した治療をしております。
上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
・一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
・無断での記事転載はご遠慮ください。
・本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。