777:生体染色検査とは
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
日毎に寒気の加わる時節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今日のテーマは「生体染色検査とは」です。
眼科における生体染色検査とは、多くはフルオレセイン染色液という黄色い色素のついた薬品で目の表面を染色し、細隙灯顕微鏡(スリットランプ)の青い光を当てて目の表面の状態を詳しく確認する検査を指します。
この検査は主に角膜障害やドライアイの診断に使用されます。
- 角膜障害
角膜に傷がついていると染色液がそこに入り込み、青いライトを当てた時に強い黄色に光ります。これにより角膜びらんや点状表層角膜炎(SPK)といった角膜の病気の有無を調べることができます。
コンタクトレンズ使用者に特徴的な角膜障害の一つにスマイルマーク型SPKというものがあり、コンタクトレンズ長時間装用や不十分なケアが原因で角膜下方に沿う形で上皮障害が起こるため、生体染色検査をしたときに笑顔の口元のような形の傷が見られます。
その他にも角膜にハードコンタクトレンズ大の円形の黄色い跡が見られる場合、レンズのベースカーブが合わない、もしくは劣化が考えられるなど、さまざまなレンズトラブルの判断に有効です。
- ドライアイ
染色液により涙も黄色く染まるため、涙の溜まり方などを見てドライアイを検査するのにも用いられます。
・BUT検査
BUTとはBreak Up Timeの略で、日本語では涙液層破壊時間といいます。瞬きのあと目を開けてから何秒で涙の黄色い膜が破れてしまうかを測り、涙の質を調べるのに使われます。この時間が速ければ速いほど涙の安定性が悪く、一般的に5秒以下でドライアイの疑いが高くなります。
・涙液メニスカス検査
涙を黄色く染めることで下まぶたと白目の間に溜まる涙の高さを確認し、涙の量が少ないかどうかを調べます。
○生体染色検査を行った場合の注意点
生体染色検査に用いられる薬剤は目には無害ですが、しばらく黄色い涙が出たり、コンタクトレンズに色が移ってしまうことがあります。1日タイプのようにすぐに捨てるものや、水分を吸収しないハードレンズであれば差し支えありませんが、2週間タイプや1ヶ月タイプのソフトレンズの場合は注意が必要です。当院では生理食塩水で目を洗い流すなどの対応を致しておりますので、お使いのレンズが2週間タイプ・1ヶ月タイプの方、また涙の色が気になる方はスタッフにお申しつけください。
- 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
- 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。