774:涙とは
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
木の葉も鮮やかに色づいてきました、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今週のテーマは 『涙とは』です。
【涙の成分】
涙の原料は血液です。成分としては9割以上が水で出来ており、タンパク質・リン酸塩も含有します。涙腺内の毛細血管から得た血液から血球を除き、液体成分のみを取り出されたものです。一般的に弱いアルカリ性の液体です。
【涙の働き】
眼はまぶたと涙によって守られています。
涙には、
「目の表面をバイ菌・異物から守る。」
「角膜に酸素・栄養を運ぶ。」
「ゴミ・ホコリを洗い流す。」
という働きに加え、
「目の表面を滑らかな状態にして『ものをきれいに見る』動きを支える」という働きもあります。
【涙の構造】
涙は油層、水層、ムチン層の3つの層からなっており、まばたきによって眼の表面にベールのような網目状の膜をつくっています。しかし涙の働きが低下すると、まばたきしてもこの膜を修復できず、保護してくれるはずのベールは穴だらけのままになり、眼に傷ができる原因にもなってしまいます。
油層:
涙の一番表面にあるのが油層です。
涙液中の水分が蒸発するのを防ぐ役目があり、マイボーム腺から分泌される油膜が成分となります。
水層:
主に涙腺から分泌される涙の主成分で、95%が水分です。
目を潤す役目の他、含まれている免疫タンパクなどが眼を菌から守る役割も果たしています。
ムチン層:
粘着質なので、水をはじく性質のある角膜上に涙液を安定させる接着剤の役目と瞬きの際に涙液を全体に拡散させる役目があります。
糖たんぱく質のムチンが主成分で結膜上皮細胞の杯細胞から分泌されています。
【涙の流れ】
涙腺から涙が分泌され、まばたきによって目の表面全体に運ばれます。そして、涙点から鼻腔へと排出されます。涙は10%が表面から蒸発して、残りの90%が涙点から流れ出るといわれています。正常な眼は涙の分泌と排出が均等に保たれていますが、涙の分泌が減少すると眼の表面が乾燥するドライアイとなります。
- 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。