765:翼状片とは
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「翼状片とは」です。
翼状片は、白目(結膜)の組織が、黒目(角膜)の中央に向かって進入する病気です。
結膜の下にある線維芽細胞が必要以上に増えて、角膜に入り込んでくることで生じます。
黒目の部分が充血したようにみえますが、それは本来血管のない角膜(黒目)に血管が豊富な結膜が侵入してくることが原因です。
結膜は通常鼻側から角膜に侵入します。翼状片が中央へ侵入するにつれ、その方向に角膜が引っ張られ、その結果角膜の乱視が生じます。
翼状片が黒目の中央にまで進行した場合、視力が低下していきます。
*翼状片の主な原因
詳しい原因は不明ですが、紫外線による眼球損傷が誘因となり引き起こされると考えられています。
翼状片は、眼球に対しての障害が蓄積することによって発症します。その為、幼児期に発症することは少なく、高齢者にみることが多いのが特徴です。屋外での仕事に従事する方に発症するケースが多いとも言われています。
*翼状片の主な症状
翼状片の症状は軽度のものから重度のものまで様々です。徐々に角膜に結膜が伸びて侵入してくるので、鏡を見て気が付く方が多いです。
翼状片が拡大している状況では、結膜の充血や異物感を自覚することがあります。異物感としては、目の乾きやかゆみ、焼けるような痛みがする、埃が入っているような感じがするなど様々です。
角膜の部分に広く結膜が侵入すると、眼球内への光の透過性が阻害されることになります。
痛みもなく、一般的にはゆっくりと進行するため、放置して大きくなり角膜中央にかかってくると、角膜の形態に歪みが生じ、視力低下や乱視などの症状を呈する場合もございます。
また翼状片により眼球運動が障害を受け、物が二重に見える複視症状を呈することがあります。
*翼状片の主な治療法
翼状片自体は悪性の組織ではなく、症状がなければ放置しても問題はありません。
しかし、充血や異物感などの症状を引き起こしたり、乱視や視力低下、複視などの視覚に対しての悪影響を及ぼすこともあります。
こうした症状に対応するために、点眼薬や手術で治療を行う場合もあります。根本的な治療。方法は手術になります。
手術を行う場合、局所麻酔を用いて、異常組織に当たる翼状片を摘出します。
但し、摘出するのみでは再発することも多く、結膜弁移植や自己結膜移植といった再発予防策を同時に行う場合もあります。
特に若い方(50歳未満)では、こうした予防策を講じても再発するリスクが高く、充血が残る場合もあるため留意が必要です。
一般的には、翼状片は悪性のものではないため、経過観察、あるいは目薬での治療で様子をみながら主治医と相談して治療方法を決めていきます。
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●本文の内容は一般路の概括的記述ですので、個々人の診療治療には必ずしも当てはまりません。
●すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。