750:ものもらいってどんな種類があるの?
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
今回のテーマは「ものもらいってどんな種類があるの?」です。
〇ものもらいとは?
ものもらいとは、まぶたにある脂や汗を出す腺に細菌が感染して起こる急性の化膿性炎症のことです。地域によっては「めばちこ」、「めいぼ」などともいわれますが、学術的には「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」といいます。マイボーム腺に感染を起こしたものを内麦粒腫、睫毛の毛根などに感染を起こしたものを外麦粒腫と呼びます。厳密にはものもらいと異なりますが、似たような症状に霰粒腫があります。本稿ではこの両者について説明をしていきます。
〇麦粒腫と霰粒腫、その症状と原因
麦粒腫:主に黄色ブドウ球菌の感染を原因とします。麦粒腫は、まぶたの縁が赤くなる、押すと痛む、または特に触れなくても痛むといった症状から始まります。次に、触れると痛む小さな丸い腫れものができます。涙目、明るい光に過敏になる、異物が入ったように感じる(異物感)などの症状が出ることもあります。多くの場合、腫れるのはまぶたのごく一部ですが、まぶた全体が腫れることもあります。腫れた部分の中心にしばしば黄色っぽい小さな点ができることがあります(通常はまぶたの縁にみられます)。麦粒腫は2~4日後に破れて、少量の膿が出て終わるという傾向があります。
霰粒腫:こちらは細菌感染ではなく、マイボーム腺が詰まることが原因です。初期症状としてまぶたの腫れ、軽い痛み、刺激感などが現れます。しかし、これらの症状は数日で消え、まぶたに丸くて痛みのない腫れが残ります。この腫れは、最初の1週間程度で徐々に大きくなります。ときに、腫れが大きくなり続けて眼球を圧迫し、少し目がかすむこともあります。まぶたの下側に赤色または灰色の部分が現れることがあります。
〇治療方法
麦粒腫(ものもらい)は特別な治療を行わなくても治ることがほとんどです。症状が出始めてから数日後に自然に膿が出てよくなることが多いです。軽い麦粒腫であれば、薬を使っても使わなくてもあまり差がないと言われているので、特に薬を処方されずにしばらく様子を見るよう言われることがあります。しかしながら、なかなか症状が改善しない場合や腫れが強い場合などでは、麦粒腫の原因となる細菌に効果のある抗菌薬が使われます。また、早く治したい人や悪化して膿んでいる範囲が広がっている人には、膿を出す処置が行われることがあります。
霰粒腫:ほとんどの場合、特に治療しなくても2~8週間で消失します。 1日に数回温湿布をあてると、早く消失することがあります。 この期間を過ぎても変化がない場合や視力に影響が出てきた場合は、内容物を排出させます。 霰粒腫は感染症ではないため、通常、抗菌薬は無効です。
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