748:加齢黄班変性症とは
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
今回のテーマは「加齢黄班変性症とは」です。
黄斑とは
網膜の中でもっとも重要な部分は、ものを見る中心となる黄斑部です。黄班部は視力にもっとも関わりが深く、色を識別する細胞のほとんどはこの部分にあります。
加齢黄斑変性症は、加齢に伴う黄斑部分変化によっておこる疾患で、高齢者の失明原因のひとつです。はっきりしたことは分かっていませんが、全身疾患(心血管疾患や高血圧)、喫煙、栄養状態、遺伝などの関与も指摘されています。
症状
主な症状として、物が歪んで見える、視界がはっきりしない、中心部が欠けて見えるなど、加齢性黄斑変性症を患うと視力に影響します。網膜の中心部の症状なので、視野の中心の最もよく見ようとするところが見えにくくなることが多いです。
また、病巣が黄斑部に限られていれば見えない部分は中心部だけですが、大きな出血がおこれば、さらに広範囲で見えにくくなります。
検査方法
・眼底検査
瞳を開いて目の奥を観察します。瞳を開くことで、通常の瞳の大きさでは検査できない 広い範囲を観察することができます。瞳を開く目薬を点眼すると、その効果は半日ほど続きます。瞳が開いていると、手元にピントが合いにくい、光をまぶしく感じるなどの副作用が生じます。そのため、検査後の運転はお控え下さい。また、お手元や、近い距離が見えにくくなりますので ご注意ください。
・蛍光眼底検査
蛍光剤を血管内に送り込み、眼底の血流状態を写し出す事が出来るため、上記の眼底検査よりも正確に眼底所見を把握する事が出来ます。
・アムスラーチャート
格子状の図を使用し、視野欠損をおおまかに検出します。
・DRI OCT Triton(3次元眼底像撮影装置)
近赤外線を利用した眼底の検査機器で、これまで行えなかった網膜の断面の観察が出来るようになり、網膜疾患、特に黄斑部病変の精密な診断が早期かつ正確に行うことができます。
治療法
・抗VEGF抗体療法
VEGFとは「血管内皮増殖因子」といって、加齢黄斑変性の症状を悪化させる最大の要因となる物質です。すでにある血管から分枝伸長し新たな血管を形成します(新生血管)。この血管は細くもろいため、すぐにやぶれて出血やむくみを起こします。抗VEGF抗体療法とは、このVEGFに対する抗体を目の中に注射することで、新生血管の増殖や成長を抑える治療法です。
※抗VEGF抗体療法は同医療法人社団 新宿東口眼科医院にて行っております。
・光線力学的療法
光に反応する薬剤を体内に注射し、それが新生血管に到達したときにレーザーを照射する治療法です。
・レーザー光凝固術
新生血管をレーザー光で焼き固める治療法です。
黄斑変性症は、早期に治療を開始すると、良好な視力が保たれる傾向にあります。
定期的に眼の診察を受け、バランスのとれた食事を心がけましょう。
・一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
・無断での記事転載はご遠慮ください。
・本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください