729:生理的盲点について
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
すっかり冬の寒さとなってまいりました。体調管理に気を付けたい季節ですね。
今回のメールマガジンのテーマは「生理的盲点について」です。
「盲点」という言葉をわたしたちは日常で使います。見落としがちな問題点のことであり、思考の過程で考えが至らなかったことを意味することも多くあります。ここでも「見る」ことの重要性がうかがえます。
まず盲点とはなんでしょうか。盲点とは目の網膜に左右に1つずつある「見えないスポット」のことです。この部分は視神経が集まって束になっており、「視神経乳頭」と呼ばれています。
この視神経乳頭には光を感じる「視細胞」という細胞が存在せず、この部分に光が当たってもその信号は脳まで届きません。そのため脳は見えていないと判断します。
両目で見ているときはお互いの目がお互いの盲点を補うように機能しているため、私たちが盲点の存在を意識することはほとんどありません。しかし、片目で物を見ているときには盲点の存在を確認することができます。
見えない部分のことは暗点と呼ばれます。この暗点には、絶対暗点(全く見えない暗点)と比較暗転(正常より感度が下がると見えにくい暗点)の2種類があります。
脳と目によって見え方を補う機能はとても高度なため、緑内障や黄斑変性といった視野が欠けてしまう病気はかなり進行していても脳が勝手に視覚情報を補ってしまうため症状を感じないことがあります。
そのため健康診断などで緑内障の疑いと診断された場合や、気になる症状がある方は医師の診察を受けるようにしましょう。
※上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
※一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
※無断での記事転載はご遠慮ください。
※本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。