727:色覚検査とは
こんにちは。新宿東口眼科医院です
冬の息吹を感じる頃となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今週のテーマは「色覚検査とは」です。
まず、色覚異常とは、先天的または後天的に起こる色の判別ができない疾患です。
日本人の先天的な色覚異常の頻度は男性では5%、女性では0.2%と言われております。
細胞の異常の程度にもよりますが、1型・2型・3型の色覚異常に分類されます。
見え方としては、多くは赤と緑・緑とオレンジ・黄色と黄緑・青と紫・ピンクと白と灰色の判別が困難になります。
例を挙げてみると、紅葉の景色が普通の緑葉に見えたり、赤いお肉が焼けているように見えてしまったりするような見え方をします。
細胞や神経の異常によって起こるため治療等で治るものでないため、ご自身でしっかりと把握しておくことが大切です。
そのため、以前は廃止されていた色覚検査ですが、近年では小学校の健康診断で色覚検査が実施されているところもあり将来に就ける職業も諦めることもなくしっかり見据えるようになってきました。
<色覚検査>
色覚の検査としてスクリーニング、程度の判定、確定診断によって分類されます。
スクリーニングや程度の判定は比較的どこの眼科に置いていることも多いですが、確定診断のための機器はあまり置いているところは多くはありません。
・スクリーニング
石原式色覚表
仮性同色表と言われる見分けにくい色同士で構成された数字や切れ目が記載された簡単かつ手早くできる色覚検査です。色覚異常の有無と大まかな分類を行います。
・程度の判定
パネルD15
1から15の色を似ている色に並び替えてもらい色覚異常の病型を決定します。(ただし程度の軽いものは判定できません)
正常に並び替えられると異常は中等度以下、また正常に並び替えることができないと異常は強度となります。
色覚の異常は将来就く職業にも就けるか就けないかも大きく関係してきます。例えば警察関係、自衛隊、航空関係、調理師専門学校などで制限されてしまいますので、色誤認が業務遂行に何らかの影響を及ぼす可能性はあるため(微妙な色の見分けを要する職種などでは困難を生じることがある)ご自身で一度色の見え方に他人に指摘されたことがあり、色の判別が困難だった方は検査を受けてみても良いかもしれません。
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※ すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。