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725:コンタクトトラブルには何があるのか
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
今週のテーマは「コンタクトレンズトラブルには何があるか」です。
現在コンタクトレンズは、視力矯正の方法として、多くの人に使用されています。しかしその反面、誤った使い方により、様々な眼障害を引き起こす可能性があります。
コンタクトレンズによる主な眼障害
点状表層角膜炎
角膜の一番外側の層を上皮といいます。点状表層角膜炎は、その角膜の上皮(一番外側の部分)に細かいキズがついた状態をいい、痛みや充血などの症状が出ます。コンタクトレンズによる眼障害の中では最も頻度の多い疾患で、レンズに付着したゴミや汚れが上皮を傷つけたり、長時間のコンタクトレンズ装用で角膜が酸素不足になることで起こります。重症化すると上皮が部分的にめくれる角膜びらんや、後に説明する角膜浸潤、角膜潰瘍へと進んでいく危険性があります。
角膜浸潤・角膜潰瘍
角膜浸潤は外傷や、ウイルス・細菌により感染を起こし、上皮や実質に炎症が起きている状態です。悪化すると、部分的に上皮が欠損し、その奥の実質まで症状が進行すると角膜潰瘍に至ります。角膜浸潤、角膜潰瘍はコンタクトレンズ装用における症状の中では重度で失明してしまうこともあります。なかでも角膜潰瘍は、傷が治っても角膜の濁りが残り、視力が低下してしまうことがあります。
角膜内皮障害
角膜の一番内側の層を内皮といいます。内皮は細胞一層で形成されていて、細胞数が減少すると細胞が欠けたスペースを一つ一つの細胞が大きくなって埋めます。
細胞数が1500個以下になると眼内手術後のトラブルが増加し、1000個以下になると眼内手術が受けられないこともあります。700個以下になると失明の危険があります。
原因となるのはコンタクトレンズによる慢性の酸素不足です。とくに非酸素透過性のハードコンタクトレンズ、連続装用、度数の強いソフトコンタクトレンズ、カラーソフトコンタクトレンズを使っている人で、装用時間や年数が長い人は、注意が必要です。
巨大乳頭結膜炎
上まぶたの裏側が赤くなり、ブツブツができるアレルギー性の症状です。かゆみや目ヤニを伴い、症状が進むとコンタクトレンズが上方にずれやすく、レンズのフチが黒目に掛かってしまう場合があります。原因の多くは、レンズの汚れや慢性的な刺激があげられます。
レンズを付けたまま寝てしまう、使用期限を守らない、レンズケアが不十分など誤ったコンタクトレンズの使用をすると深刻な眼障害につながりかねません。
医師の指導もなく、誤ったコンタクトレンズの使い方を正しい方法と思いこんでいると危険です。
自分では気づかない病気の前兆など、定期検査を受けて入れば発見することが可能です。目の健康を保つために、定期的に眼科を受診することが大切です。
上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
無断での記事転載はご遠慮ください。
本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。