691:角膜移植とは
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
三寒四温の言葉どおり、冬が行きつ戻りつしている昨今ですが、
皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回のテーマは「角膜移植とは」です。
角膜とは、一般的に「くろ目」と呼ばれる部分にあたり、限球の形を保ち、外の光を通して光を屈折させ、網膜に像が結ばれるのを助ける役割を持ちます。
角膜の構造は、①上皮②実質(ボーマン膜、デスメ膜の間の部位)③内皮と、大きく分けて3つの層に分かれています。
これが、病気やけがにより角膜が濁ってしまい、角膜本来の透明性を失ってしまうことがあります。このような場合に角膜移植が必要となります。
【角膜移植とは】
角膜移植とは、角膜が外傷や感染症、遺伝的疾患などにより透明性を失ったり、変成や変形により、目のスクリーンにあたる網膜に像を結ぶことができなくなった場合に行われる手術です。
角膜移植は、大きく分けて二つの種類があり、3層すべてを移植するのが『全層角膜移植術』、内皮層のみを移植するのが『角膜内皮移植術』と言われます。
【角膜移植が必要になる病気】
角膜移植が必要になる病気は多くあります。
- 角膜の混濁
原因:細菌、真菌、角膜ヘルペス、アカントアメーバなどが原因の角膜炎、角膜外傷、熱傷・化学外傷、角膜変性症
- 角膜のむくみ(水疱性角膜症)
原因:加齢、遺伝性の角膜の病気、内皮型角膜ヘルペスやサイトメガロウイルス角膜内皮炎などの角膜内皮の炎症、眼科手術・虹彩へのレーザー治療
- 角膜の不正乱視
原因:円錐角膜、角膜炎、角膜の怪我
などがあります。
程度が強く、点眼などの薬物治療で改善せず、手術以外の方法では見え方が改善しない場合に、角膜移植の対象となります。
【提供角膜について】
移植に使用される角膜は、アイバンクなどを通じて、亡くなられた方、もしくは脳死判定を受けられた方から提供されます。
しかし、現況では国内提供ドナー角膜数は少ないため、すぐに手術を受けられない場合もあります。
- 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
- 無断での記事転載はご遠慮ください。
- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。