682:眼科で行う血液検査について
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
厳しい寒さが続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「眼科で行う血液検査について」です。
毎年決まった季節に目がかゆくなるけど原因がわからない、アレルギーで涙が止まらないなどの症状でお困りではないですか?
アレルギー性鼻炎・結膜炎、喘息、アトピー性皮膚炎などの症状が出ている方は、症状を引き起こしているアレルギーを特定すること、アレルギーによるものかどうかを調べることが、治療の第一歩となります。
当院で行われている血液検査について、紹介させていただきます。
1)特異的IgE(Viewアレルギー39)
39種類の抗原に対するアレルギーの有無を調べることが出来ます。検体量は血清0,5ml、およそ一週間で結果がわかります。調べることの出来る抗原を以下のとおりです。
1、食物系アレルゲン(20項目)
吸い込んで体に入るもので、アレルギーの原因となりやすいもの
- 室内の塵:ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト
- 動物:ネコ、イヌ
- 昆虫:ガ、ゴキブリ
- 樹木:スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ
- 草:カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、オオアワガエリ
- カビ:アルテルナリア(スズカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア、ラテックス
2、吸入系アレルゲン(19項目)
食べて体に入るもので、アレルギーの原因となりやすいもの
- 卵:卵白、オボムコイド
- 牛乳:ミルク
- 小麦:小麦
- 豆、穀物、ナッツ類:ピーナッツ、大豆、そば、ごま、米
- 甲殻類:エビ、カニ
- 果物:キウイ、りんご、バナナ
- 魚、肉類:マグロ、サケ、サバ、牛肉、豚肉、鶏肉
上記39項目を一度に調べることが出来ます。厚生労働省により,食品の原材料表記を定められた特定原材料7品目(エビ,カニ,卵,小麦,そば,落花生,乳)全てが含まれているのが特徴です。
2)白内障手術のオペ前血液検査
白内障手術を受ける方は採血検査をします。感染症がないかの検査、そして感染性ならば何が感染しているのかなど眼所見に応じた採血をして、原因の解明につなげることがあります。
またぶどう膜炎という眼に炎症が起こる疾患が見つかった場合は、必要時には採血をします。繰り返す虹彩炎(ぶどう膜炎)の方に採血をすると、糖尿病が見つかることがあります。糖尿病性虹彩炎自体は点眼薬ですぐ治り、視力も悪化しないのですが、糖尿病の発見が遅れると、全身的な予後が悪くなってしまうので、眼科で早期に発見することは大事なことです。
このように、当院では必要に応じて採血を行い眼科治療の助けにします。
※血液検査をご希望の方は
血液検査をご希望の方は、当院を受診していただき、医師に眼科的な適応があると判断されれば採血を行います。また、採血は看護師が行いますので、血液検査を希望される方は看護師の勤務する日に予約をお取り下さい。
適応がなければ施行されない場合がございます。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。