676:ヘルペスによる眼疾患
みなさんこんにちは、新宿東口眼科医院です。
今回のテーマは、「ヘルペスによる眼疾患」です。
ヘルペスとは、ヘルペスウイルスが原因で起こる感染症です。ギリシャ語で「這う」という意味が語源と言われています。ヘルペスウイルスは一度感染すると神経節に潜伏し続けます。ほとんどの人が子供の頃に感染していますが約9割の人は症状が出ません。しかし、発熱や疲労、発熱など免疫力が落ちることで発症することがあります。ヘルペスウイルスには8種類ありますが、一般的にヘルペスとしてよく知られている「単純ヘルペスウイルス」と「水痘・帯状疱疹ウイルス」による眼疾患についてご紹介します。
- 単純ヘルペスウイルスによる眼疾患
・単純ヘルペス眼瞼炎
ピリピリとした痛み、赤み伴う数個の小さい水疱が眼瞼にできます。目の充血をおこして結膜炎や角膜炎を合併することもあります。
・角膜ヘルペス
涙が出る、まぶしい、コロコロする、見えにくい、充血するなどの症状がみられます。角膜ヘルペスには上皮型と実質型があります。
上皮型は、角膜の最も外側の上皮層でウイルスが増え、樹木の枝のように見えるのが特徴です。そのため、「樹枝状角膜炎」と呼ばれます。
実質型は、角膜の中心層である実質層でウイルスに対する免疫反応が起こり、炎症が起こります。実質層の角膜が丸く腫れ、濁ってきます。「円板上角膜炎」と呼ばれます。
(2)水痘・帯状疱疹ウイルスによる眼疾患
・眼部帯状疱疹
三叉神経という知覚神経の第1枝領域に発症し、痛み、赤みを伴う多数の小さい水疱が眼瞼や頭、額にできます。顔の左右どちらか一方にできるのが特徴です。眼にも症状が出ることがあり、結膜が充血し、ひどい場合には角膜炎やぶどう膜炎を起こします。
(治療法)
ヘルペスウイルスが原因の眼疾患は基本的に薬での治療を行います。抗ウイルス剤の眼軟膏を使用し、ウイルスの増殖を防ぎます。また、必要に応じて二次感染を防ぐためにステロイド剤の点眼薬を併用する場合もあります。
一度治っても体調が良くない時に再発することがあるため、バランスの良い食事、充分な睡眠など日頃から体調管理を怠らないことが大切です。
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※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。