667:正常眼圧緑内障とは
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
今週のテーマは『正常眼圧緑内障とは?』です。
緑内障とは...
緑内障は、視野の一部が欠けて見えにくくなる目の病気です。進行性なので次第に見えにくい部分が増え、そのまま放置していると失明にいたることもあります。
眼圧が高い緑内障よりも眼圧が正常範囲にありながら緑内障になる、正常眼圧緑内障が日本人には非常に多く、緑内障全体の7割以上を占めています。
それだけに最近は「40歳をすぎたら」、あるいは「老眼が入ってきたら」、緑内障の検査をしたほうがいい、といわれるようになっています。
正常眼圧緑内障の原因と症状
健康診断などによる眼圧検査では10~21mmHgの範囲なら正常とされます。
一般に眼圧が高くなると、視神経が圧迫されて、障害を起こしやすくなります。緑内障にはいくつかのタイプがありますが、目のなかの隅角という部分がふさがったり、房水の排出路が詰まったりして、眼圧が上昇することで発症するタイプがあります。
では、正常眼圧の場合は、どうなのでしょうか。実のところ正常眼圧緑内障の発症メカニズムは、まだよくわかっていません。しかし、正常とはいっても常に一定の圧力がかかっていること、また、視神経には個人差があり、眼圧や周辺の血液循環の悪化などが影響して、発症すると推測されています。つまり、なんらかの理由から視神経が傷ついたり、萎縮したりして、緑内障の症状が起こります。それが正常眼圧緑内障であり、しかも40歳以上では20人に1人という高い割合で起こることもわかっています。また、正常眼圧緑内障の場合、90%の方は自分が緑内障であることに気づいていません。視野狭窄がかなり進んでいても、ほかの部分(見える部分)がフォローするため、気づきにくいのです。それだけに、早期発見のための検査が重視されるようになっています。
検査
正常眼圧緑内障の早期発見には、眼科での検査が必須です。
眼圧検査と眼底検査、視野検査により進行程度を調べるものになります。
・眼圧検査→医師による点眼(ベノキシールなど)により眼球を麻痺させ、
直接機械を目にあて測定する場合もあります。(アプラネージョントノメーター)
・OCT検査(3次元眼底像撮影装置)→近赤外光を利用して、網膜層の断面画像を撮ります。患者様には光を見ていただくだけの検査です。
網膜疾患や緑内障などの経過観察や治療効果判定において、短時間で信頼性の高い判断材料を得られます。
・ハンフリー視野計→視野計の内側に顔を固定して中心のマークを見つめ、周辺に出現する小さな光が見えたら、手に持っているブザーを鳴らして、視野の範囲や欠落部を調べます。片目ずつ行ない、両目の検査が終わるまでに30分くらいかかります。
治療法
治療には主に、房水の生成を抑えたり、排出をうながすための点眼薬が使用されますが、点眼薬によっては、
心臓病や喘息などに影響を与えるものがあるので、医師とよく話し合っておくこととお薬手帳も持参してください。
将来の失明の可能性を減らすためにも、若い時より定期的に検査を受ける習慣をつけてほしいと思います。
上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
- 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。