664:弱視の治療は子供の頃やらなくてはダメ?
こんにちは。
今回のメールマガジンのテーマは「弱視の治療は子供の頃やらなくてはダメ?」です。
弱視とは?
人間の目は、生まれた時から大人のようにしっかり見えるわけではなく、生後まもなくの視力は0.01程しかありません。日常生活において、様々なものを見ることで外部からの刺激が加えられ、それが視力の発達を促します。脳が刺激されるうちに少しずつ機能が発達していき、3歳で1.0が見えるようになるまで成長します。
しかし、何かしらの原因により視覚的な刺激が正常に伝わらなくなると、視力の発達に影響を受けることになります。このようにして生じた視力障害を弱視と呼びます。
なぜ弱視の治療は子供の頃にやらなくてはいけないのか
視覚の感受性は1歳半頃にピークに達し、8歳頃に消失すると言われています。そのため弱視の予防には、早期に発症に繋がる原因を取り除き、視力の発達を促すことが重要になります。とりわけ視覚感受性が高いのは3歳までであり、それ以降は感受性が低下、視力の成長度合いも低くなります。このため、弱視治療を開始する年齢が3歳までの場合は、小学校入学までに視力が0.8以上になることがほとんどですが、4歳以降の場合、視力を改善させるためには、かなり長期間の治療が必要になる場合が多くなります。
「視機能が発達できる感受性期」である7~8歳頃を過ぎてからでは、弱視治療の効果はあまり期待できず、仮に治療を開始しても、既に手遅れという場合が圧倒的に多いです。適齢期に治療を行えなかった場合、たとえ眼鏡やコンタクトレンズを使用しても1.0や1.2といった視力を出すのが難しくなります。
こうした理由から、弱視の治療は子供の頃、とりわけ3歳までに始める必要があります。それまでに始めることができれば、治療の効果をより期待できます。