662:コンタクトにUVカット機能って必要?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
早いもので8月も終わりに差し掛かろうとしていますね。
変わらず暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今週のテーマは「コンタクトにUVカット機能って必要?」というテーマについてです。
紫外線について
紫外線とは地球に到達する太陽光線のうち、波長が短くエネルギーの高い「可視光線」と呼ばれる光のことです。よくUVという言葉を聞きますが、これは紫外線の英語=Ultra Violetの略であり、同様の意味となります。紫外線にはA波、B波、C波の3つがありますが、地上に届いているのはA波とB波のふたつ。いずれも人体にダメージを与えますが、B波のほうがより強力です。
また、紫外線は太陽から直接降り注ぐものだけではなく、建物から反射されたものや大気中で散乱しているものもあるので、太陽が隠れているからといってUV対策を怠らないようにしましょう。
そんな紫外線は、眼にも悪影響を及ぼすことが知られています。UV(紫外線)カット機能というと、サングラスやメガネが思い浮かびますが、実はコンタクトレンズにもUVカット機能が備わっているものが多数あり、そのようなコンタクトレンズを使うと眼の負担の軽減が可能です。
UVカット機能コンタクトとは?
UVカットコンタクトとは、紫外線を吸収する役割がある「紫外線吸収剤」が含まれたコンタクトレンズのことを指します。この紫外線吸収剤が、紫外線A波と紫外線B波をカットすることにより、レンズが触れる黒目や角膜を保護してくれるのです。
ハードコンタクトレンズのほか、ワンデーや2Weekなどの使い捨てタイプ、乱視用や遠近両用、カラコンなどのソフトコンタクトレンズにも、UVカット機能が含まれたコンタクトレンズが発売されています。下記にて当院で取り扱っているUVカット機能付きコンタクトレンズをご紹介いたします。
眼は直接外気にさらされているため、紫外線の影響を受けやすい器官です。眼が紫外線を浴びると、その情報が目から脳へ伝わり、メラニン色素が形成されて日焼けの原因になります。
紫外線カット機能の付いたコンタクトを日常から利用することで、そのような日焼けの予防効果が期待されます。
ただ、UVカットコンタクトを使用しても、紫外線を原因とする眼病にかかるリスクを軽減できるかは、臨床試験においてはまだ確認されておりません。また、UVカットコンタクトだけでは、白目の部分を覆うことは不可能なため、眼全体を紫外線から守るためには、UVカットのコンタクトの使用だけではなく、サングラスや帽子、日傘など他の紫外線対策を併用すると、より効果的です。
眼が紫外線を浴び続けるとどうなる?
- 紫外線角膜炎(雪目)
紫外線角膜炎は強い紫外線を浴びたときに発症する眼病で、充血や異物感が見られます。多くの場合は数日程度で治りますが、強い痛みを感じたときや回復が遅い場合は眼科を受診しましょう。
②翼状片(よくじょうへん)
白目の組織の細胞が増殖し、黒目に食い込んでしまったことによって起こる眼病の一種。紫外線が原因で発症する場合、白目と黒目の境界が傷つけられることによって発症するといわれています。翼状片の代表的な症状として充血や異物感、ドライアイ、眼精疲労などが挙げられます。
- 白内障
白内障は、目にある水晶体のたんぱく質が変性することで、次第に瞳がにごってくる目の病気です。白内障というと、加齢のためによる悪化や進行であるとられ考えられがちですが、白目が濁る原因のひとつとして、紫外線が影響するのではないかと考えられています。
- 加齢黄斑変性
加齢黄斑変性症とは網膜にある黄斑に異常が見られる眼病です。この病気になると物が歪んで見えたり、見たいものの中心部が暗くなったりすることがあります。紫外線を浴びると活性酵素が体内にたくさん蓄積されるようになり、網膜の機能を低下させてしまうので要注意です。
このように紫外線は日焼けの原因となるだけでなく、浴び続けることで蓄積され、上記のような眼病の元となってしまう可能性もあります。
今回ご紹介したUVカット機能付きのコンタクトに加え、サングラスや帽子、日傘などを上手に組み合わせて使い、大切な眼を紫外線から守るように心がけましょう。
当院で処方可能なUVカット機能付きコンタクトレンズは?
◎ハードレンズ
メニコンZ、アイスト、サプリーム、UV-1等
◎1dayレンズ
ワンデーアキビューオアシス、モイスト、メニコンプレミオ、プレシジョンワン等
◎2weekレンズ
アキビューオアシス等
◎遠近両用
ワンデーピュアイードフ、2ウィークピュアマルチステージ等
◎カラーレンズ
ワンデーアキビューディファインモイスト、アイコフレワンデー、ジルスチュアートワンデー、フルッティー、ワンデーアイレ、2ウィークアキュビューディファイン等
詳しくはこちら、池袋サンシャイン通り眼科診療所 コンタクト診療について(https://www.ikec.jp/cl/)をご覧ください。
上記の他、Jコンタクト池袋店でお取り扱いのあるレンズは(https://www.jcontact.co.jp/ikebukuro/)よりご案内が可能です。
- 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談してください。
- 一般の方向けですので医学用語が必ずしも厳密ではありません。
- 無断での記事転載はご遠慮ください。
- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。