651:シェーグレン症候群とは
こんにちは!新宿東口眼科です。
入梅とともに梅雨空が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「シェーグレン症候群とは」です。
シェーグレン症候群とは涙や唾液を作りだしている涙腺、唾液腺などの外分泌腺に慢性的に炎症が生じ、ドライアイやドライマウスなどの乾燥症状が出現する病気です。
本来、細菌やウイルスなどの外敵から身を守るための免疫系が誤って自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患です。
9割が女性で、発症年齢は50代がピークですが、子どもからお年寄りまで様々な年齢で発症します。
症状
ドライアイの症状として目がゴロゴロする、目が疲れやすい、眩しく感じるなどがありひどくなると角膜にキズがついてしまう乾燥性角結膜炎や表層性角膜びらんなどがあります。
ドライマウスの症状が口の中が乾く、パンなどのパサパサしたものが食べにくい、食事中に水分を多くとるなどがあり、唾液が少なくなるため、虫歯になりやすく、味覚障害を生じることもあります。
その他全身症状として、倦怠感や関節痛、間質性肺炎、腎炎、神経症状、紫班などがあります。
検査
眼科的には涙の分泌量の検査やドライアイなどによって目の表面にキズがないか調べます。
また、唾液の分泌量を調べるためのガムテストや血液検査で「免疫異常の原因となる抗体があるかどうか」を調べ、他の膠原病の合併がないかも同時に調べます。
治療
現在、根本的な治療法は確立されていません。
そのためそれぞれの症状を和らげる対症療法が中心です。
ドライアイには涙の補充に人工涙液(マイティア@ソフトサンティア@)などがが用いられます。
また水分保持のあるジグアス点眼@や粘液を産生する細胞を増やすムコスタ@も新たに認可されました。また涙の出口である涙点をふさいで涙の排出を抑える効果が期待される涙点プラグもあります。
ドライマウスについては水をこまめに飲んだり、人口涙液スプレーや唾液を分泌する薬を使うこともあります。他の膠原病が合併していればその治療も行います。
日常生活上の注意
乾性角膜炎や虫歯などの早期発見のために定期的に受診をお勧めします。
普段からスマホやパソコンで目を酷使することや、直射日光、エアコン、低湿度、埃・煙の多い環境を避けましょう。乾燥している食事や香辛料、アルコール飲料の接種や喫煙は控えましょう。また、ストレスをなるべく溜めないようにしましょう。
上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※ すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。