650:春季カタルとは
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
今週のテーマは「春季カタルとは」です。
春季カタルとは
春季カタルとは、アレルギー性結膜疾患の一種で、アレルギーによって結膜に症状がおこります。重症タイプのアレルギー性結膜炎と捉えられています。結膜炎の中でも、眼瞼結膜(まぶたの裏)に乳頭と呼ばれる隆起ができ、角膜と結膜の境界部にも病変が及ぶものになります。春から秋にかけて悪化することが多くみられますが、アレルギー源に接触する機会があれば、季節に関係なく一年中発症します。アレルギーを起こす原因物質(抗原)との接触により生じる体の反応が発症要因であり、抗原はハウスダストやスギ、ヒノキ、ブタクサなどの花粉、ダニ、犬猫の毛など多岐にわたります。
疫学的な特徴として学童期~思春期の男子に多く、伴う症状としては、他のアレルギー性結膜疾患と同様にかゆみが代表的です。他に充血や浮腫がみられたり、涙目、ゴロゴロとした目の異物感なども併発します。炎症が強くなると黒目に傷ができて視力の低下や眼痛を引き起こし、学校生活に支障をきたすこともあります。
治療法について
春季カタルでは、薬物を用いた内科的治療と外科的治療があります。
薬物を用いた内科的治療は、症状を軽くすることが中心となります。通常のアレルギー性結膜炎と同様に抗アレルギー点眼薬が使用されます。効果が足りない場合はステロイド点眼薬を副作用に注意しつつ使用することを検討します。
外科的治療では、結膜乳頭を切除したり、角膜プラークの切除を行ったりすることがあります。
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※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。