637:目に異物が入るとどうなるの?対処法は?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
朝晩と冷え込んできましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「目に異物が入るとどうなるの?対処法は?」です。
日常生活の中で、目に異物が入ってしまうことは多いかと思います。
まつげが目の中に入ってしまったことは、みなさま一度は経験しているのではないでしょうか。
また、「洗剤が目に入ってしまった」「コンタクトがなかなか取れずまぶたの裏に残っている」「ほこりが目に入ってしまった」など様々な状況があります。
目に異物が入った場合、「目のどこに 何が どのように入ったか」によって、症状や対処法が異なります。
目の中に虫やホコリが入った場合
結膜(白目の部分)に入りやすいのが、虫やホコリです。痛みが強く、涙が流れますが、
ほとんどの場合はまばたきを繰り返すうちに異物が涙とともに流れ出します。
それでも、異物感や痛みが続く場合には、異物が上のまぶたの裏側に入り込んでいることが考えられます。
そのような場合、目をこすらないでください。むやみにこすってしまうと、上まぶた内の瞼結膜にある溝(瞼板下溝)に異物が入り込んでしまい、
なかなかとれなくなってしまいます。
また、こすってしまうと結膜だけでなく角膜も傷つけてしまうことがあります。角膜が傷つくと視力障害を引き起こす可能性もありますので、
異物が自分で見つけられない・うまく取れそうにないときには、早めに眼科を受診しましょう。角膜(黒目の部分)にほこりやゴミなどさまざまな物が入ると、角膜上皮に刺さったりくっついたりします。
やはり多くは涙で流れ出るのですが、ときには異物によって角膜が傷つき、鋭く痛みます。
角膜の中央から上の方にかけて異物があると、まばたきによって刺激されやすく、下の方にあるときよりも痛みを強く感じます。
洗面器に入れた水道水に顔をつけ、まばたきをしてみても異物が取れないなら、できるだけ早く眼科へ行きましょう。
放っておくと結膜も充血し、症状が悪化する場合もあります。
意外と目に入りやすいのが鉄粉で、電車のレールから出た鉄粉が風に巻き上げられ目に入ってしまうケースが多いです。
鉄粉が付着した場合
鉄粉が角膜に付着したまま放置して数日経ってしまうと、涙の塩分で鉄粉にサビが生じ、角膜組織に浸透します。
このサビにより角膜が濁り、メガネでは矯正できない不正乱視や視力障害が残る可能性もあります。
流水で3分ほど洗眼したあと、早急に眼科を受診しましょう。
化学物質が目に入ってしまった場合
あまりの痛さに涙が止まらなくなり、つい反射的にまぶたを閉じてしまいがちです。
しかし、まぶたを閉じると科学物質が目にとどまることにつながり、接触時間が長ければ長いほど、目の障害は重症化することになります。
辛くても、しっかりと目を大きく開けて、すぐに流水で15分以上洗眼し、化学物質を洗い流しましょう。そして洗眼が済んだら、直ちに眼科を受診しましょう。
目に異物が入った場合、その直後の適切な処置がその後の治癒に関わってきます。
痛みや異物感も我慢できるし大丈夫、と
安易に放置せず、とにかくすぐに水で洗い少しでも不安があれば眼科を受診してください。
液体や粉末状のものが目に入った場合
(例)洗剤、漂白剤、カビとり剤、接着剤、ヘアカラー、石灰(白線引き用など)、セメント、薬品など
なによりもすぐに目を洗うことです。最低10分以上、蛇口の水やヤカンに汲んだ水を目に直接かけるか、洗面器に張った水で目をよく洗ってください。目をつぶっていては効果がないので、痛くてもがまんして目をあけて洗眼してください。
この間、目をこすってはいけません。
洗眼の開始とともに、周囲の人が(1人の場合は自分で)近くの眼科に電話をして状況を説明し、指示を受けてください。
洗眼が済んだらすぐに、連絡をとった眼科医や眼科救急外来を受診してください。
固形物が目に入った・眼球や目の回りを切ったり刺した場合
(例)なにかの作業中に鉄片、木片、プラスチック片が飛んできて目に入った。カッターで目を傷つけた。針が目に刺さった
目の表面や周囲によごれ(例えば泥)がついている場合は、すぐに水でそれを洗い落とします。ただしAのケースほど長時間続ける必要はありません。また、眼球に大きな傷がある場合は無理に目を開かずに、軽くよごれをとってください。
この間、目を押さえつけてはいけません。出血している場合は、きれいなタオルやティッシュなどをまぶたの上から軽く当ててください。
近くの眼科に電話をして状況を説明してください。応急処置の指示を受け、それが済んだら直ちに受診してください。
上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談してください。
- 一般の方向けですので医学用語が必ずしも厳密ではありません。
- 無断での記事転載はご遠慮ください。
- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先させてください。
- ウイルス感染症に対する当法人の取り組みについてのご紹介
当院にはアルコールを主成分とする手の消毒液を複数設置しており、ご自由にお使い頂けます。また、ウイルス殺菌効果のある弱酸性次亜塩素酸水を使う専用加湿器を複数台設置しております。
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なお当院は通常通り診療を行っております。