634:人の目とカメラは似ている?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
残寒去りやらぬ日々でございますが、お元気にお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「人の目とカメラは似ている?」です。
ヒトの眼の働きについては、カメラとの比較で説明されることが多いようです。
一言で言えば、眼もカメラも共に結像光学系を備えた撮像装置であるということもでき、
基本的な構成は共通していると言えます。
-目のどこがカメラのどの部分?-
- まぶた
レンズキャップと、シャッターの役割です。 ゴミや乾燥から目を守ったり、目に入る光の量を制限して網膜が傷つくのを防いだりしています。
- 角膜・水晶体
レンズの役割をしています。角膜には、紫外線を吸収するフィルターの役割もあります。 レンズなどで光が曲がる現象を「屈折」といいます。 カメラはレンズの移動により、遠くから近くまでピントを合わせます。 一方、目は水晶体が薄くなったり厚くなったりして、遠くから近くのものまでピントを「調節」するオートフォーカス機能をもっています。 水晶体が一番薄い状態を「無調節状態」といいます。
- 虹彩
絞りの役割をしています。このはたらきで“ひとみ”の大きさを調整して、目に入る光の量を制限しています。
- 硝子体
フィルム室の役割をしています。水晶体と網膜の距離を一定に保ち、網膜へ適切な大きさの像を結ぶはたらきをします。
- 網膜
フィルムや、デジタルカメラの撮像素子の役割をしています。 デジタルカメラでは、入ってきた光を撮像素子で電気信号へ変換して、 その電気信号をコンピューターで処理し、メモリーに記録しています。 電気信号を処理するコンピューターは脳、撮像素子とコンピュータを結ぶ配線は視神経にあたります。
【人の目とカメラのレンズの違い】-
カメラと異なり、ヒトの目のレンズである水晶体はそのカタチが変化します。近くを見るときは、この水晶体が分厚くなり、逆に遠くを見るときは水晶体が薄くなります。凸レンズは厚みが大きくなると屈折率も大きくなり、近距離で焦点を結びます。逆に薄くなると屈折率は小さくなって、焦点も遠くなります。このように厚みを変えていろいろなところにピントを合わせて、世界を映し出すのが私たちヒトの目の水晶体なのです。
上記は一般的な説明です。ピントが合いにくい、視野が狭くなった、ぼやけが気になるなど少しでも気になる症状がある方は受診の上、医師に相談してください。
- 一般の方向けですので医学用語が必ずしも厳密ではありません。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先させてください。