629:白目が黄色い?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
本年も宜しくお願い致します。
今回のテーマは「白目が黄色い?」です。
皆さんは鏡を見て白目が黄色くなっていることに気付いたことはありませんか?
白目が全体的に黄色味がかっている場合や、黄色いできものが出来ている場合があります。
今回は、白目が黄色くなる原因をいくつかご紹介します。
【眼の病気】
①瞼裂斑
白目部分は球結膜という粘膜で覆われており、目を開いた時一番先に外気に触れるのは黒目とその真横の球結膜です。長年のまばたきによって瞼の裏の刺激の蓄積で球結膜の皮の細胞が増殖し盛り上がり、茶色や黄色みがかります。その盛り上がった部分を瞼裂斑といいます。
主な原因
原因は外界からの紫外線によるもの、涙液不足による乾燥によるもの、ハードコンタクトレンズによる物理的な刺激によるものなどが考えられます。乾燥や埃っぽい環境での慢性的な刺激が原因になり得ると考えられています。
ハードコンタクトレンズが原因の場合はサイズ(直径)を小さくして突起部分にふれないようにします。ソフトコンタクトレンズにすると症状が軽減される場合もあります。特にコンタクトレンズ装用者は、人工涙液を処方し、乾燥を防ぐ場合が多いです。
治療法
主に瞼裂斑炎の治療には、ステロイド剤や非ステロイド性、抗炎症薬が用いられる事が多いです。
紫外線が影響していると言われていますので、紫外線カットの眼鏡や帽子の着用をお勧めします。
②肝臓の機能低下
肝臓の病気の症状に「黄疸」と呼ばれるものがあります。肝臓から1日あたり500~800mlほど分泌される胆汁には、「ビリルビン」という緑がかった黄色い色素が含まれています。血液中のビリルビンが異常に増えると、皮膚や目が黄色くなります。全身に酸素を運ぶ役割のヘモグロビンを含んだ赤血球は、寿命(約120日)が来ると脾臓や肝臓で壊されます。破壊されるときにヘモグロビンは「ヘム(鉄を含む色素)」と「グロビン(タンパク質)」に分解され、さらに酵素のはたらきで「グロビン」は「ビリルビン」に変化します。そして、ビリルビンは血液の流れに乗って肝臓へ運ばれ、胆汁として胆管をとおり、十二指腸や小腸を循環して、尿や便で排泄されます。ところが、肝臓の障害によって機能が低下すると、胆汁が腸に排出されなくなり、ビリルビンが血液中で増加してしまいます。すると、ビリルビンの黄色い色素が皮膚や粘膜に沈着して、白目や肌を黄色く変色させてしまいます。
【紫外線】
眼が紫外線を受け続けると眼も肌と同じように日焼けし、様々な日焼けの症状が出ます。瞼裂班を引き起こす原因でもありますので、紫外線が強い日はサングラスや帽子を着用すると良いでしょう。
【スマートフォンやパソコンの見過ぎ】
スマートフォンやパソコン等の液晶画面から出るブルーライトは、紫外線に匹敵する刺激性があります。長時間使用することで眼精疲労やドライアイを引き起こし、白目の黄ばみにつながります。
その他以下の原因も考えられます。
喫煙、膵臓・胆のう系の病気、加齢
少しでも目に違和感を感じた場合、眼科にご相談することをお勧めします。
・一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
・無断での記事転載はご遠慮ください。
・本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。