626:長時間ゲームをすると生じる眼の疾患
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
今回のテーマは、「長時間ゲームをすると生じる眼の疾患」です。
多くのゲーム機器、パソコン、スマートフォンなど昨今では眼をよく使うゲームが流行しています。
「そんなに長くゲームをすると眼が悪くなる。」「テレビを見過ぎると眼が悪くなる。」などと注意を受けたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはどのようなトラブルが起こるのか、確認していきましょう。
①近視がすすみやすい
ゲームをした後のお子さんに、以下のような変化は起きていませんか?
・目を細めて見ようとしている。
・ときどき不用意に転ぶことがある。
・学校の定期健診で視力が下がっている。
お子さんの近視の場合、仮性近視という病気の可能性もあります。
仮性近視は偽近視、学校近視ともいわれており、初期の近視の中にこの状態の方が含まれております。
人間の眼の中には毛様体というピントを合わせるための筋肉があります。
近くの作業を頻繁に行うと、この筋肉が過度に緊張し、遠くを見ようとしてもゆるまなくなります。この状態を調節緊張、仮性近視と呼びます。
当院では点眼による治療をおこなっております。ミドリンM という筋肉の緊張をほぐす点眼を就寝前に行います。点眼後30分から1時間で毛様体筋の緊張は完全に取れ、その状態が5~6時間続きます。この点眼をすると、瞳も広がり見づらくなりますが、翌朝には元に戻ります。毎日繰り返すことで、緊張しっぱなしにならない毛様体筋をつくります。
また、症状によっては、眼科でしっかり検査と診断を受け、必要ならば眼鏡の処方箋を作ります。
②眼精疲労になりやすい
ゲームをした後に、以下のような症状が出ていませんか?
・眼が充血している。
・普段より多くまばたきしている。
・疲れた目をしている。
眼精疲労とは、目の疲れ、痛み、乾きなどの症状が長く続く状態をいいます。 ひと晩ぐっすり眠れば、疲れが取れるという点で「疲れ目」とは区別されています。
眼精疲労の主な自覚症状は目に関するものとして、目が重い、ショボショボする、目が痛む、疲れによる充血、かすみや視力の低下などがあります。
また体に関するものとして、身体の痛み、肩こり、胃痛や食欲不振、便秘、吐き気などが起こることがあります。
ゲームでは、長時間同じ距離を見続ける為、このような症状が起きます。
眼精疲労の中では、最も多いタイプです。
当院における眼精疲労の治療は、病気からくるものでなければ点眼によるものが主です。メガネなどを使用している場合は度数の適正等、そうでない方も病気からくるものでないか診察を受けることをお勧めします。
③ドライアイになりやすい
ゲームをしていて興奮状態が続くと目のまばたきの回数が減り、目が乾きやすく、ドライアイになりやすくなります。
ドライアイは、涙の量が足りなくなり、涙の成分が変化することによって目の表面に障害(傷)が生じる目の病気です。
ドライアイではさまざまな症状が現れます。主に、目が痛くなる、目が開けづらくなる、目が重たくなる、見えづらくなる、コンタクトレンズがつけられなくなる、目の感染症になる、などがあります。特にコンタクトレンズをしていると、目の痛みに気付かない場合があります。痛みがなくても、定期的に医師の診察を受けることをおすすめします。また、ドライアイが進行すると、涙の量・バランスが崩れて目の表面の細胞がはがれ、傷ができることもあります。
ドライアイも薬による治療が主ですが、症状によっては、涙点プラグなどで涙の量を調整することもあります。
ゲームをするときは、以下のようなルールを設けながら、やりすぎに注意して楽しみましょう。
・ ゲームは長時間しない。
・ 1時間に10分以上の休憩を取る。
・ 睡眠をしっかりとり、目に休息を与える。
もし、目のトラブルが起きてしまったら、しっかり診察を受け、眼科医に相談することをお勧めします。