589:レーザー治療をする疾患とは
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
梅雨空のうっとうしい季節ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「レーザー治療をする疾患とは」です。
●そもそもレーザー治療とは?
その名の通りレーザーで病気を治療する方法です。レーザーにもいくつかの種類があります。
・マルチカラーレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、半導体レーザー、フェムトセカンドレーザー
光を発生させる物質によって名称が異なります。組織を熱凝固させて治療します。
網膜光凝固術、虹彩光凝固術がこれに当たります。
・ヤグレーザー
光をある1点に集中してバーストさせることにより、その部位の組織を破壊します。
白内障手術後に水晶体の袋が濁る後発白内障という病気に対する治療によく使われます。この場合は痛みも全くなく数分間で終了するので、レーザー治療の中では最も楽に受けることができます。その他、緑内障の急性発作などに使用することもあります。
・エキシマレーザー
組織の表面に照射することで、組織表面を蒸発させる効果があります。
角膜に対して使用すると、設定された深さまで滑らかに表面を削ることができるため近視手術として広まっています。
・炭酸ガスレーザー
眼瞼下垂などの皮膚切開に使用されます。
●レーザー治療をする疾患
・網膜光凝固術の主な適応疾患…糖尿病網膜症、網膜静脈分岐閉塞症、中心性漿液性脈絡網膜症、網膜裂孔、網膜剥離、加齢黄斑変性、網膜中心静脈閉塞症、未熟児網膜症、Coats病、網膜再動脈瘤、眼内腫瘍
・虹彩光凝固術の主な適応疾患…緑内障、開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障
・ヤグレーザーの主な適応疾患…後発白内障
・エキシマレーザーの主な適応疾患…近視、遠視、乱視、角膜ジストロフィー、帯状角膜変性、角膜白斑
●レーザー治療を行う際の注意点
・視力回復のための手術ではない…レーザー治療は原疾患を治療するために行います。
・飛蚊症は治療後も残存する…飛蚊症の原因は網膜だけではないため、完全に治るとは限ら
ない
・合併症の可能性…感染症、視野狭窄、中心暗点、色覚障害、黄斑浮腫、網膜剥離、網膜出血、硝子体出血、新生血管、増殖性変化、白内障、角膜内皮障害、角膜上皮障害など
●当眼科で行っているレーザー治療
・網膜光凝固術
・ヤグレーザー
●当院でレーザー治療をする際の流れ
・網膜光凝固術…まず医師の診察を行ってから、追加検査(眼底の写真撮影、瞳孔を開く薬の
点眼など)を行います。次にレーザー治療についての説明を行ってから点眼
麻酔をし、角膜保護剤を点眼してから治療に入ります。終了後は洗眼をし
て終了です。
・ヤグレーザー…網膜光凝固術と同じように、診察、追加検査、治療説明を行ってから眼圧
が上がるのを抑える薬を点眼し、点眼麻酔、角膜保護剤と順に点眼してか
ら治療に入ります。終了後は洗眼をして終了します。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮下さい。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先させてください