579:網膜剥離の治療法
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
早いものでもう4月です。今月から新生活をスタートされた方も多いのではないのでしょうか。
さて、今回のテーマは「網膜剥離の治療法」です。
網膜剥離とは、読んで字の如く網膜が剥がれてしまう疾患のことです。
網膜は眼球の内側にある薄い膜で、眼の中に入った光は網膜の上に像を結びます。網膜剥離はその前兆症状として、チカチカとした光の点滅を感じたり、暗い部屋で突然稲妻のような光が見えたりする光視症や、視界に糸くずや虫のような物体が見える飛蚊症があらわれます。
網膜が剥がれてしまうとその部分に相当する視野が欠け、中心部まで及ぶと急激な視力低下や中心視野の欠損が生じます。放っておくと網膜がすべて剥がれてしまい、剥がれた網膜には血液が供給されないため、時間が経つと失明してしまいます。
網膜剥離の発症要因にはさまざまなものがありますが、多くの場合では加齢に伴う硝子体の変化が関係しています。目の内部を満たす硝子体は通常ゼリー状ですが、加齢とともに少しずつサラサラした液体に変化して、眼球の動きに連動して移動するようになります。硝子体の一部は網膜と付着しているため、硝子体が移動することで網膜が引っ張られ、裂け目が生じることがあります。この裂け目から液体が入り込むことで、さらに剥離が進行します。
網膜剥離を治療するに当たり、当院ではレーザー手術による治療を行っております。
網膜にできた裂け目の周辺にレーザーを照射することで、裂け目の周囲の網膜とその下にある組織をくっつけ、それ以上網膜が剥がれないよう処置をします。
手術ではレーザーを照射するたびに「ピー」という音が聞こえます。麻酔の目薬を使用しますので、痛みはほとんど伴いません。疾患の状態にもよりますが、手術自体は10~20分程度で終わります。
技術の進歩により、網膜が元の位置に戻る率(網膜復位率)は向上しています。しかし、視力の回復や視野の改善には限度があり、再剥離の危険性もあります。また、片目だけに生じた剥離であっても、その後もう片方の目にも網膜剥離が起きる場合もあります。もう片方の目も含めて、術後の経過観察が重要です。
上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。
●ウイルス感染症に対する当法人の取り組みについてご紹介をします。
当院にはアルコールを主成分とする手の消毒液を複数設置しており、ご自由にお使い頂けます。
またウイルス殺菌効果のある弱酸性次亜塩素酸水を使う専用加湿器を複数台設置しております。
スタッフはマスクを着用させていただき、咳が出てマスクを付けていない患者様にはマスクをお渡ししております。
当院および機器の消毒を徹底し、常に換気をしております。
なお当院は通常通り診療を行っております。