560:ウインタースポーツで気をつけるべき眼疾患
こんにちは。新宿東口眼科です。
暦の上では冬となり夜寒を感じる頃となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「ウインタースポーツで気をつけるべき眼疾患」です。
紫外線の強い場所、たとえばスキー場、雪山登山でゴーグルやサングラスを使わずに過ごした後に眼が充血したり、痛くなったりした経験はございますか?
「雪眼炎とは」
これは雪面から反射してきた紫外線を長時間浴び続けたことにより起こる、俗に”ゆきめ”と呼ばれる雪眼炎という眼疾患で、角膜上皮(角膜の一番外側の膜)が傷付いている状態です。
症状は紫外線を浴びて数時間~1日経ってから出始め、ゴロゴロする・痛みがある・充血する・まぶしい等の症状が挙げられます。
「必要な検査」
角膜の表面に傷が付いていると、視力がしっかり1.0ないし1.2まで出ない場合があります。傷の状態を把握するため、また治療効果の判定のため、オートレフラクトケラトメーターで眼のデータを測定した後に視力検査を行います。
また、処方される薬の種類によって副作用が出ることもあるので、眼圧測定も行います。
診察室では、特殊な薬(当院ではフルオレセインという黄色の試薬を使用)で眼表面を染色し、傷の具合を確認します。傷が付いている部分は染色されます。
他の疾患との鑑別のため、診察時には紫外線を長時間浴びる環境にいたことを伝えるとスムーズです。
「治療方法」
治療には角膜を保護する効果のある目薬を主に使用しますが、症状によっては抗生剤の目薬や、眼軟膏を併用することもあります。
角膜上皮は再生能力の高い組織であるため、通常は数日で回復します。
「紫外線対策」
角膜は皮膚よりも紫外線の影響を受けやすく知覚も敏感で、傷が付くと強い痛みが出ます。そのため、角膜が紫外線にさらされないよう保護する必要があります。
角膜の保護には、UVカット付きのサングラスやゴーグルが効果的です。サングラスの隙間から入ってくる紫外線には、サングラスやゴーグルと併用してUVカット付きのコンタクトレンズを使用することも有効です。
天気の良い日でなくても、紫外線が強い場合があります。ウインタースポーツに出かける際には十分に注意しましょう。
症状が出た場合には速やかに眼科を受診し、医師の判断に従い治療をしましょう。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。