556:帯状疱疹と眼科
こんにちは新宿東口眼科医院です。
秋も深まってゆく中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回のテーマは「帯状疱疹と眼科」です。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって皮膚にぶつぶつと発疹(ほっしん)が出る病気です。腹に出たり、胸に出たり、顔に出たりします。体の左右どちらかだけにおこるのが特徴的で、反対側まで広がることはありません。ピリピリとした痛みを伴うのが普通で、治ってもいつまでも痛みや刺激感が残ることがあります。
特に顔面の三叉神経第1枝領域(眼神経)に出現した場合、ヘルペス性角結膜炎や、虹彩炎、網脈絡膜炎をきたし、視力低下等の症状がおこることがありますので、眼科での精密検査が必要になります。
目に対する治療としては、抗ウイルス薬のアシクロビル眼軟膏点入や内服がありますが、重症の場合は、総合病院等で抗ウイルス剤の点滴静注が必要になることもあります。
また、混合感染予防のための抗菌剤点眼や、炎症抑制のための低力価のステロイド点眼(角膜上皮型でなく、実質型の場合)を併用することもあります。
眼部帯状疱疹もヘルペス性角結膜炎も、その発症の引き金となるきっかけは同じで、加齢、疲労、ストレス、悪性腫瘍、重症な感染症、放射線や紫外線の曝露、免疫抑制剤や抗がん剤を使用したことによる免疫力の低下などで、誰にでも起ることがあり得ます。
体調管理をしっかりとして、目やその周囲に違和感を感じたら早目に眼科を受診することをおすすめします。
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- すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。