554:通水について
メルマガをお読みになっている皆様こんにちわ、新宿東口眼科医院です。
朝晩の気温も下がってきて、ようやく秋の気配がしだしました。
秋の夜長、どのように過ごされますか?
読書やドラマ、映画などで感動して涙が・・・・というとき、口の中がしょっぱく感じることありませんか?それは、知っていらっしゃる方もおられると思いますが、「目・鼻・口(喉)はつながっているから」です。
涙は上まぶたにある涙腺から分泌され目の表面を潤した後、目頭にある涙点から涙小管、涙嚢(るいのう)、鼻涙管を経て鼻腔に出ていきます。
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涙の成分は98%が水分で残りはタンパク質、ナトリウム、リン酸塩などでできているため、鼻から喉に涙が通るとちょっとしょっぱいのです。
この涙の排出が上手くいかない病気があります。それを診断するのに「涙道通水試験」というものがあります。
今回のテーマは「通水について」です。
涙の排出が上手くいかないと涙があふれだすので、常に涙っぽい感じや、目が潤む感じ、泣いてないのに涙があふれてきたりします(流涙症)。
涙嚢内で感染が生じると涙嚢炎と言って目頭が赤く腫れてしまうこともあります。
流涙症がある場合には、涙の排出経路が詰まって起こる「涙道閉塞症」が疑われます。
涙道が詰まっているかを、涙点から生理食塩水を注入して鼻に通っているかどうかで確認します。これが「涙道通水試験」「通水」です。この試験は外来で行うことができます。
どのような器具を使って行うかは、新宿東口眼科医院のホームページで「検査機器」内の「通水検査」項目に掲載しております。
涙道閉塞症は加齢に伴い涙道内に老廃物が蓄積して次第に塞がってくることが多いようです。他にも蓄膿症などの副鼻腔疾患や外傷による顔面の骨の骨折で涙道が閉塞することもあります。
また、鼻涙管の途中に膜のようなものが残り、行き止まりになってしまったまま生まれてくるお子さんもいます(先天性鼻涙管閉塞症)。
涙道閉塞症がなくても涙目になることもあります。
逆さまつげなどが眼の表面を刺激すると涙が多く分泌されて涙目になります。
ドライアイで眼の表面が乾燥するとそれを補うために一時的に涙が多く分泌されて涙目になることもよくあります。
白目の粘膜(結膜)が緩むこと(結膜弛緩症)によって、涙点をふさいでしまって涙目になることもあります。
これらの症状は一般的な眼科の診察で診断することができます。
気になる症状があれば、ご相談ください。
一般の方向けですので、医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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本文中の内容は、一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。