535:赤ちゃんと大人の目の見え方って違うの?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
青葉が美しい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「赤ちゃんと大人の目の見え方って違うの?」です。
~視力について~
新生児のときは、目がほとんど見えていません。光を感じる能力は胎児期に発達していると考えられているため光を感じることはできますが、両目の協調性がなく、左右の目を上手に連動させることができません。
3ヶ月頃になると、視力は0.01~0.02くらいになり、動くものを目で追うことができるようになります。物の色、輪郭も全体がぼんやりしている段階ですが、人間の顔とそれ以外の形が区別できるようになります。
6ヶ月頃には、視力が0.04~0.08くらいになり、ものの輪郭がうっすら見える状態となります。両目の協調性が完成し、左右の目が1つのものを追うようになります。
1歳~3歳頃になると視力がおおよそ0.2~0.6くらいになります。奥行きや高さの認識、物の立体感距離感を感じられるようになり、より細かいものを見分けることができるようになります。
3歳の頃には視力が1.0(大人並の視力)になります。半数以上の子供が視界が大人に近くなり、丸・三角・四角などの、形の区別も分かるようになります。そして年齢とともに1.0程の視力を持つ子供の割合は増えていき、6歳頃には、ほとんどの子供の視力が大人並みになります。
~視野について~
大人並の視力が出始める6歳くらいの子供も、平均的な視野は左右(水平)で90度程度、上下(垂直)で70度程度とされています。
大人の平均的な視野が水平で150度程度、垂直で120度程度とされていることを考えると、子供の視野がとても狭いことが分かります。
大人の感覚で「たぶん見えてるだろう」と思っても、子供自身は見えていない可能性も十分にあります。幼児は『視野が狭い』『視力が低い』という認識を持ちましょう。
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