533:高血圧と眼疾患
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
今回のテーマは「高血圧と眼科疾患」です。
〇高血圧とは
高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態をいいます。高血圧になると血管に常に負担がかかるため、血管の内壁が傷ついたり、柔軟性がなくなって固くなったりして、動脈硬化を起こしやすくなります。
高血圧を放置すると、脳卒中、心疾患、慢性腎疾患などの重大な病気につながります。
〇高血圧網膜症
高血圧網膜症とは、高血圧が原因で網膜に損傷が生じる病気です。血圧が高くなり網膜の毛細血管に損傷を与えると、血管の壁が厚くなり、血管内を流れる血液の量が減少します。その結果、網膜へ供給される血液の量が減少し、血液の供給が不足した部分に、小さな島状の網膜損傷が生じることがあります。
高血圧網膜症が進行すると網膜の中に血液がにじみ出ることがあります。これらの変化により視力障害が徐々に進みます。特に、網膜の中心部にある黄斑にこういった変化が起こると、視力が大きく損なわれます。軽度の高血圧であっても、長年にわたって治療しないでいると網膜の血管が損傷することがあります。
〇治療方法
・内科的治療
降圧剤などの内服薬の服用
1日3食、規則正しく、まんべんなく食べること、医師の指示にしたがって、自分の症状にあった運動をすること、アルコール、糖分、塩分のとりすぎに注意し、規則正しい生活を心がけることがあります。
網膜にレーザーを照射して、新生血管の発生を防ぐ方法。また、出血や白斑も治療できます。この治療で視力が回復するわけではありませんが、網膜症の進行を阻止することができています。
・硝子体手術
硝子体出血、網膜剥離などをきたした増殖網膜症に対し出血混濁の除去、剥離した網膜をもとの位置に戻すなどを目的に行われています。
・一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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・本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。