507:眼科の医師は目のどこを診ている?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
肌寒くなってまいりましたが、皆様どうお過ごしでしょうか。
今週のテーマは「眼科の医師は目のどこを診ている」です。
当院の診察室では、眼疾患を発見するために様々な検査が行われております。
・ 細隙灯顕微鏡(通称スリットランプ)
角膜や結膜、水晶体、虹彩、硝子体の前部などいわゆる前眼部といわれる部分を観察する検査です。痛みや痒み等の症状がある場合、フローレス紙を用いて眼の表面(角膜)を染め、傷などがないか検査をします。
また、体の不自由な患者様や、小さいお子様にも対応できるようにハンドスリットランプも備えております。
↓ハンドスリットランプ ↓スリットランプ
・ 眼底検査
検眼鏡を使い、網膜や視神経の状態を調べる検査です。この検査により、緑内障や網膜剥離、視神経疾患などの眼の病気だけでなく、内科疾患(糖尿病、肝臓病等)や脳神経疾患(くも膜下出血、硬膜下出血、脳腫瘍等)を発見することができます。補助レンズ(90Dレンズ)を用いて視神経乳頭のへこみの広がりや深さの程度などを立体的に観察する方法、3ミラーなど接触型前置レンズを使用し、低倍率で、隅角部、硝子体、網膜中央および周辺部を観察する方法もあります。また、眼底検査の際に、瞳孔を広げて眼底をより詳しく調べるために散瞳薬を使うことがあります。
3ミラー 倒像鏡 90Dレンズ
・接触式眼圧測定(アプラネーショントノメーター)
検査室で行われる非接触式眼圧測定とは違い、医師による点眼(ベノキシールなど)により眼球を麻痺させ、直接機械を目に当てて測定する検査です。
・隅角検査
隅角検査は特に緑内障を診断するうえで欠かせない検査です。また隅角の状態をみることで緑内障のレーザー治療が適応かどうかもわかります。さらに、虹彩・毛様体・脈絡膜に炎症ができるぶどう膜炎の診断の際にも有用ですし、散瞳検査が安全にできるかの確認にも使われます。
隅角部分は通常、屈折の関係で直接観察できないので、角膜に隅角鏡と呼ばれる検査用のレンズを接触させ、観察します。このとき点眼麻酔・角膜保護剤を使用しますが、圧迫感があります。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも
当てはまりません。
※ すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。