504:紫外線がもたらす眼への影響
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
朝夕はずいぶんと涼しくなってまいりましたね。
さて、今週のテーマは「紫外線がもたらす眼への影響」です。
この夏は記録的な猛暑でしたので、海やプールでたくさん紫外線を浴び例年よりも日焼けをした方が多いのではないでしょうか?
お肌の大敵と謳われる紫外線ですが、実は目にも悪影響を与えることがあります。
レジャーだけではなくオフィス街などでもビルや路面からの反射によってあらゆる角度から有害な紫外線を浴びている恐れがあるため、しっかりとした紫外線対策が必要となってきます。
紫外線による目の障害は、主に白内障、翼状片、雪眼の3つが知られています。
■ 白内障(はくないしょう)
眼の中の水晶体が白く濁ることで、見えづらさが生じる病気です。白内障の原因でもっとも多いとされるのは加齢ですが、少しずつ紫外線を浴びることで目がダメージを受け若いうちから白内障になる場合もあります。
自覚症状としては、目のかすみ・ぼやけなどです。
明るい場所だとまぶしくて目が見えにくい人、どんなに調整しても眼鏡が合わないという人も白内障が疑われます。
■ 翼状片(よくじょうへん)
翼状片は、結膜(白目の部分)の下にある線維芽細胞が必要以上に増え角膜に入り込んでいくために生じるものです。白目と黒目の境界が紫外線で傷つき、その防御反応や修復の過程で起こると考えられています。
結膜には血管がたくさん集中している一方で、角膜には血管がありません。
しかし、本来角膜にない血管が結膜から巻き込まれて入り、黒目の部分が充血したように赤くみえます。翼状片は通常鼻側から角膜に侵入します。
翼状片が中央へ進行するにつれその侵入した方向へ角膜が引っ張られ、角膜のゆがみ(乱視)が出現します。さらに、翼状片が黒目の中央にまで進行すれば視力は著しく低下する恐れがあります。
■雪眼・電気性眼炎(ゆきめ・でんきせいがんえん)
雪眼炎は俗に”ゆきめ”と呼ばれている紫外線によって起こる表層角膜炎、角膜上皮障害です。紫外線の強い場所―たとえばスキー場・雪山登山などでゴーグルやサングラスを使わずに過ごした場合に起こります。症状が現れるのは、紫外線を吸収してから6~24時間後で目に激しい痛みを感じたり、まぶしさを感じたり、涙が出てきたり、といった諸症状が生じます。
最後に紫外線予防のために今日からとれる対策をご紹介します。
紫外線から目を守るためには、紫外線カット加工を施したメガネ・サングラス・コンタクトレンズが効果的です。サングラスの中には、紫外線カットの効果がないものもあります。なお、レンズの色の濃さは紫外線カット機能の高さとは無関係です。商品の表示をよく確認して購入しましょう。「UVカット」と書かれたものを見かけたことがある方もいらっしゃると思いますが、こちらはUV=Ultra Violetの略で紫外線のことですので効果が期待できるでしょう。
コンタクトレンズも、紫外線カット機能がついたものが多くあります。
弊院でもUVカット機能つきのコンタクトレンズを多数ご用意しております。
また、これらと帽子や日傘を併用するとより効果的です。帽子はなるべくつばの広いものを選びましょう。日傘は裏地が黒色のものだと照り返しも防げてなお良いです。
- 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
- 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません