488:斜視とは
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
吹き抜ける風がなんとも心地よく感じる今日このごろ、いかがお過ごしでしょうか。本日のテーマは「斜視とは」です。
まず、斜視・斜位についてです。斜位とは目の動かす筋肉のバランスが悪く、ずれているはずの目を自力で融像(両目で1つのものを見る状態)して、斜視を隠している状態のことをいいます。 大半の人が多少の斜位を持っており疲れたときや、気を抜いたときに症状が現れます。 こちらは基本的には治療の対象とはなりません。
しかし、目のズレの角度が大きく眼精疲労がある人には、プリズム眼鏡で矯正する場合はあります。片方の眼が対象に向いているのに対し、もう片方の眼は目標と違う方向に向いている場合があります。それが斜視です。斜視は子供の2%くらいに見られる病気です。簡単に言いますと、両目の視線が合わない状態です。 いろんな原因で斜視になりますが、子どものころの斜視はすぐに治療が必要になります。 目の発達が6才までには完成するため、そのあいだに片方の目を使わなくなってしまうと、大人になって視力が回復することが難しくなるからです。
斜視は目の位置によって内斜視、外斜視、上斜視、下斜視に分けられます。内側を向いていると内斜視、外側を向いていると外斜視、上を向いていると上斜視、下を向いていると下斜視です。
斜視の原因
斜視は、眼球を動かす働きをする筋肉(眼筋)の力のバランスが悪い場合や、神経に異常がある場合、眼球を動かす筋肉付着部の異常がある場合に起こります。その他、強い遠視や近視がある場合や、病気や怪我などが原因で片眼の視力低下が起こり両眼の眼筋のバランスがくずれてしまう場合にも斜視になることがあります。また、乳幼児期の弱視、強度の近視や遠視などは、正常な視機能の発達を損なうことがあり、斜視になることがあります。
斜視の治療
斜視の原因によって、治療法は異なってきます。
手術を用いない治療法は、斜視でない眼を眼帯やアイパッチで覆い、斜視眼(視力が出にくい眼)だけを使用することで眼の機能を鍛えたり、斜視用の眼鏡(プリズム眼鏡)で矯正をおこなったりする方法があります。
プリズム眼鏡による矯正は斜視自体を治療するためのものではありません。眼鏡にプリズムを入れて光を屈折させ、斜視眼を正常眼と同じ指標が見えるようにするためのものです。
手術による治療法は、眼球を動かす筋肉が正常に作動するように、手術で眼筋を縮めたり位置を調整したりします。
両目でものを見る能力(両眼視)は、生後3~4ヵ月で芽生え、3~4歳で良好なレベルに達してくると言われています。両眼視が芽生え 急速に発達するこの時期に両眼がバランス良く使えていないと、眼の機能が正常に育たず、将来 運転免許が取れない等、日常生活に大きな支障が出てきます。治療は、斜視に気がづいたらすぐに開始することが望ましいです。