481:ヘルペスって何?
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
暖かい日が増えてきたこのごろですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「ヘルペスって何?」です。
ヘルペスというのは、ヘルペスウイルスと呼ばれる種類のウイルスにより起こる、皮膚や粘膜の炎症のことです。
風邪をひいてしまったとき、口のまわりや唇にできものができて痛かったという経験のある人が、皆様の中にもいるかもしれません。「熱の花」などと呼ばれることもある、このできものですが、これもヘルペスの一種で、「口唇ヘルペス」といいます。
実は、こういったヘルペスの原因であるヘルペスウイルスには、ほとんどの人がすでに感染したまま生活しているといわれています。ですが、感染しているといっても症状が出ることはまれで、このウイルスは普段は神経の中に潜んでおとなしくしています。しかし、風邪や疲れなどで免疫力が低下すると活発化して、炎症を起こすことがあるのです。
目の周りや目の中においても、ヘルペスウイルスは炎症を起こします。
まぶたで炎症が起こり、できものができれば「眼瞼ヘルペス」、
黒目の上で炎症が起こり、痛みや視力の低下が起こるのは「角膜ヘルペス」です。
特に「角膜ヘルペス」は、正しい治療をしなかった、または放置しすぎた場合、重症化してしまい、失明にまで至る可能性もゼロではありません。
幸い、ウイルスに直接効く薬が存在しますので、早いうちに眼科にかかり、医師の指導の上で継続的に治療を続けること、定期的に目にできた潰瘍(傷)の様子を眼科医に確認してもらうことが治療には大切です。
また、ヘルペスは一度かかると非常に再発しやすいのも特徴です。もしヘルペスと診断された場合は、医師から「これで完治した」と言われるまでの間、指示に従って来院するようになさってください。
角膜ヘルペスの初期症状は、目の痛みや、目の中がゴロゴロする感じといった、ありふれたものです。
ですが、こういった症状でも軽視せず、とくにそれが長く続いている場合は早めに眼科へとご相談ください。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※ すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。