473:意識しづらいコンタクトレンズのトラブル
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
今回のテーマは「意識しづらいコンタクトレンズトラブル」です。
年々使用者が増えているコンタクトレンズですが、ケアが簡単で便利になった一方で、
眼のトラブルも増加しています。
【長時間装用による酸素不足】
コンタクトレンズは角膜の表面に直接かぶせるものです。レンズで角膜に長時間フタをしている状態が続くと、涙が角膜に十分に行きわたらなくなって酸素や栄養が不足し、角膜障害を起こすことがあります。
→主な疾患 ドライアイ
【細菌による感染】
正しく洗浄・消毒を行わず、汚れたコンタクトレンズを使用していると、細菌に感染しやすくなります。とくにソフトレンズは水分をよく吸収するため、水道水で洗うと水中にいる微生物も一緒に吸着してしまい、細菌感染を起こすことがあります。また、煮沸をしないコールド消毒の場合は、感染症の原因となるアメーバ類が生き残ってしまうおそれがあります。
→主な疾患 角膜炎、角膜潰瘍
【コンタクトレンズの傷や変形による角膜損傷】
コンタクトレンズの洗浄が不十分だったり、乱暴に扱うことで変形したり傷がついたレンズを使用すると、角膜の表面を傷つけることがあります。放置すると、そこから細菌に感染して、重症の場合には失明に至ることもあります。また、最近はアレルギーによる角膜損傷も注目されています。
→主な疾患 角膜上皮びらん、アレルギー性結膜炎
≪予防法≫
【コンタクトレンズの使用方法の厳守】
コンタクトレンズは正しい洗浄方法や装用時間を守って、適切に使用することが大切です。レンズを洗うときには水道水ではなく、コンタクトレンズ用洗浄液を使ってこすり洗いをし、消毒・保存液の中に決められた時間、浸しておきしましょう。
【目が乾かないよう注意】
コンタクトレンズを装用すると目が乾きやすくなります。加湿器や濡れタオルを干すなどして、室内の湿度を調整しましょう。また、意識的にまばたきの回数を多くして涙の分泌を増やしたり、涙と同じ成分の塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムが含まれている点眼薬をさして目を潤しましょう。
【まぶたのマッサージ】
目に疲れを感じたら、コンタクトレンズをはずした後に目の周辺をマッサージするだけで楽になります。目を閉じて、両手の親指を眉毛の下に置きます。そのまま目の周囲にある骨に沿って、指を滑らせるようにマッサージします。このとき、目に圧力をかけすぎないように注意しましょう。
また、コンタクトレンズによるトラブルは、放置すると危険なものもありますので注意が必要です。定期検査を怠らず、目の不調が続くときは、必ず病院で診察を受けましょう。