472:コンタクトレンズの上からつけてもいい目薬
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
寒さの厳しい季節ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「コンタクトレンズの上からつけてもいい目薬」です
<ソフトコンタクトレンズでの点眼について>
まずは、ソフトコンタクトレンズでの目薬の点眼について説明します。
目薬の多くには、使用中に細菌が繁殖をするのを防ぐために、成分のひとつに「防腐剤」が含まれています。目薬を開封しても1ヶ月程度使用することができるのは防腐剤のおかげです。
主な防腐剤の成分には「塩化ベンザルコニウム」があります。
例えば、下記は、花粉症の時期に処方されることが多い、点眼薬の添付文書(説明文書)の“重要な基本的注意”の記載になります。
「本剤はベンザルコニウム塩化物を含有するため、含水性ソフトコンタクトレンズ装用時の点眼は避けること。」
このように、ソフトコンタクトレンズでは、目薬に含まれる防腐剤がレンズに吸着し、濃度が高まり、角膜との接触時間が長くなることで、角膜障害の原因となることがあります。また、レンズ自体が変性し、レンズの寿命を短くしてしまう可能性があります。
ワンデータイプのソフトコンタクトレンズは、1日で使い捨てるため影響が少なく、医師によっては、点眼してもトラブルが少ないと判断している場合もあります。
また、コンタクトの上から点眼できるものは防腐剤の入っていないものが殆どとなっております。
<ハードコンタクトレンズでの点眼について>
基本的に、ハードコンタクトレンズの場合は、点眼しても問題ないと判断している場合が多くあります。
ただ、ハードコンタクトレンズにも2種類があり、酸素透過性(現在、主流)と非酸素透過性のタイプがあります。
酸素透過性のハードコンタクトレンズの場合、ソフトコンタクトレンズと同様に、防腐剤の吸着がみられることもあるため、点眼する場合は、コンタクトレンズをはずしたほうが望ましいでしょう。
又、成分がゲル化する目薬など、目薬によってはコンタクトレンズを外して使用しないといけない場合があります。
<注意点>
コンタクトレンズをしている際の患者さんへの目薬の点眼の可否については、公的な文書上での明確な記載がないため、必ず、処方医や薬剤師の指示に従うようにしましょう。
一般的に、コンタクトレンズは、医療用・市販薬に関係なく、できればはずして、点眼することが望ましいとされています。眼鏡をコンタクトレンズと併用して利用されている方は、疾患中は、眼鏡を利用することをおすすめ致します。
- 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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- 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。