462:うつる結膜炎の注意点
こんにちは、新宿東口眼科医院です。 皆様いかがお過ごしでしょうか。 今回のテーマは「うつる結膜炎の注意点」です。 うつる結膜炎とは、流行性角結膜炎といい、はやり目と呼ばれることもあります。
今回はうつる結膜炎の原因、症状、生活上の注意点、治療の予後について解説していきます。では、EKCの症状、生活上の注意点についてみてみましょう。
◆症状 感染後、8~14日間の潜伏期間を経て、症状が現れ始めます。 主な症状としては、結膜の充血や浮腫、眼脂、眼の痛み、ほかに耳下リンパ節の膨張と圧痛です。また場合によっては眼瞼結膜に偽膜を形成することがあります。
一般的には2週間程度で症状が改善してきます。 EKCは大変感染力の強い結膜炎です。 どれくらい強いかというと、患者と対面していなくても患者が触ったドアノブを他人が触り、触った手で目をこするだけでも感染するおそれがあります。
問診を取る際には充血、痛み、目脂があるかを確認します。また、感染の可能性があるか確認のため、周囲に目の赤い人がいるかどうかという質問もします。
◆当院での対策・治療 当院では、EKCの疑いがある患者様は一般の方とは離れたお席でお待ちいただいております。また診察室も他の方とは別の所にご案内し、医師の判断によってアデノチェックをおこないます。アデノチェックとはアデノウイルスを検出するキットで、陽性となった場合は特に注意して生活を送っていただくことになります。
アデノウイルスを殺す薬はありません。そのため対症療法として炎症を抑えるステロイドの薬や、二次感染を防ぐ目的で抗菌剤を処方します。一週間に一回程度経過を見せていただき、必要に応じて偽膜除去の処置を行うことがあります。
◆生活上の注意点 EKCの診断を受けた場合、他人への感染を避けるためお仕事や学校はお休みしていただきます。治ったように見えても、医師の許可が出るまで、しばらくは他人に接したり、友人や親戚などへは遊びにいったり招いたりするのは避けましょう。
目をぬぐったティッシュは、一度ビニール袋にうつし口をしばってから捨ててください。タオルや寝具は家族と共有しないでください。また、タオル、ハンカチ、下着などはできるだけ煮沸し、乾燥させます。手は石鹸でよく洗い、可能な限りアルコール消毒をしてください。洗った手で目をこすったり、周りに触らないよう注意しましょう。
お風呂は家族の中で最後に入り、浴槽のお湯はすぐに捨てて下さい。 治ったように見えても、実際にはウイルスがまだ体内に生きていることがあります。症状がひいてもしばらくの間外出は避けるようにしましょう。
お仕事などで診断書が必要な場合には、診察室にて医師に相談してください。診断書の代金は2160円になります。
◆ 予後について 眼の充血、涙、まぶたの腫れといった症状は約2週間程度で症状は改善してきますが、その後に角膜炎がみられ、角膜に小さい斑点状の淡い混濁が残ることがあります。混濁が出ても、治療を続けていけば次第に消退しますが、数か月くらいはまぶしさや見えにくさを感じる場合があります。