445:近視の人は老眼にならない?
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
梅雨が明け、暑さも本番の季節ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
外は暑いので涼しい室内で読書をしたり、パソコンやスマホを使ったりする時間が長くなるかもしれませんね。
今回のテーマは「近視の人は老眼にならない?」です。
老眼とは
老眼とは若い頃にはあったピント合わせの力(調節力)が年齢と共に失われ、近くにピントを合わせることができなくなることを言います。自覚症状として、近くが見えにくく、本を手元から離さないとよく見えなかったり、近くから遠くへ、遠くから近くへといった距離の違うものを見た時に、ピントを合わせるのに時間がかかるといった症状があります。
なぜ老眼が起こるのかというと、目の中の水晶体という組織が関係しています。水晶体はカメラのレンズと同じ役割を担っています。様々な距離のものを見る為に水晶体の厚みを変え、常にピント合わせを行っています。しかし、年齢とともに水晶体は硬くなり、厚みを変えることができなくなってきます。具体的には、近くを見るときには水晶体が膨らむのですが、水晶体が硬くなると膨らますことができなくなります。その結果、近くに焦点が合いづらい状態になってしまいます。老眼は一般的には40歳頃から始まると言われています。
近視の人は老眼にならないのか
結論から言ってしまうと、老眼は加齢による生理現象ですので、近視の人も老眼になります。ただ、近視の人は老眼を自覚しにくいのです。
近視というのは元々近い距離にピントがあっている状態ですので、近くを見る為に水晶体を膨らませたりする必要がありません。そのため、自覚をするのが遅れたりします。
ただし、近視でも眼鏡やコンタクトなどで近視を矯正していると自覚をし始めます。矯正することにより、近くに合っていたピントを遠くに合わせているので、近くを見るときには水晶体を膨らませなくてはならなくなります。老眼が始まっていれば、水晶体が膨らみにくいので、老眼を自覚することになるのです。そのため、近視の方は眼鏡をはずした方が、近くが見やすいといったことがよく起こります。
老眼かな?と思ったら
老眼を疑ったら、まずは眼科を受診しましょう。視力検査で遠視、近視、乱視がどの程度あるのか調べます。眼底も医師が確認し、他の目の病気がかくれていないかも確認します。
受診をすることで、白内障や眼底出血、緑内障など他の重大な疾患が発見されることもあります。
きちんと検査をし、総合的に診て老眼だと言われたら、眼鏡やコンタクトを処方することがあります。不便を感じながら無理に見ようとすると、眼精疲労や調節緊張症、頭痛、肩こりなどの原因になることもあります。
当院では近用、遠近両用眼鏡の処方のほかに、遠近両用コンタクトレンズも種類豊富に取り扱っておりますので、気になる方はいつでもご相談ください。
●上記は一般的な説明です。
●症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
- ●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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- ●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。