433:モノビジョンについて
こんにちは。新宿東口眼科医院でございます。新緑の美しい季節になりました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「モノビジョンについて」です。
● モノビジョンとは
モノビジョンとは、片眼は近くが見えるように調整し、もう片眼は遠くが見えるように調整することで、両眼で見たときに近くも遠くも見えるように合わせることをいいます。
一般的に、コンタクトの処方でもレーシックでも白内障の手術で眼内レンズを入れる場合でも、左右の度数はあまり違わないように合わせます。人間の左右の眼はたいてい似ているため、左右の度数が同じですとバランスが良く、違和感も少なく、ものを立体的に見やすいからです。
● 老眼鏡との関連性
老眼の方はモノビジョンにすることで老眼鏡がなくても見やすくなる可能性があります。
若い頃は裸眼の状態であっても遠くも近くも見える正視の人は、老眼になると近くが見えにくくなり老眼鏡が必要になります。
近視の方は、初期段階では老眼になっていることに気づきにくい傾向にあります。近視の度合いにもよりますが、年齢が進んでいっても裸眼の状態で手元が見えているのが理由です。近視用の眼鏡を使用中に疲れを感じ、眼鏡をはずしたときに手元の文字が見やすい状態ですと、老眼鏡はまだ必要ないものの、老眼はすでに始まっている可能性があると言えます。
まれにですが、モノビジョンが自然に成立している方がいらっしゃいます。たとえば、元々片眼は正視でもう一方は近視になっている状態の方です。左右のバランスが良くないので立体的なものを見るときに多少問題もありますが、日常生活に支障をきたすことはあまりありません。こういった方が老眼鏡を必要とする年齢になると、正視の眼で遠くを見ることができ、近視の眼で近くを見ることができるので、老眼鏡の必要がなくなります。
● モノビジョンを利用した見方
自然とモノビジョンになった方が老眼鏡を必要としない場合があることから、眼鏡・コンタクト・白内障手術の場合でわざとモノビジョンにする方法が考えられてきました。
眼鏡をモノビジョンにすると左右の度数が大きく異なると脳が対応しきれず、眼精疲労や頭痛が起こり長時間使用することができません。
コンタクトレンズの場合、左右の度数が異なっても見える大きさは変わらないので、モノビジョンにすることは可能です。しかし、モノビジョンの状態に脳が慣れて適応するまでの時間は個人差が大きいので、ご興味がある方は一度眼科でお試しいただき、ご相談いただくことをおすすめいたします。
モノビジョンには利点もありますが、問題点もございます。みなさんがモノビジョンをお考えであれば、こうした利点も問題点もよくご理解いただき納得いただいた上でお試しください。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも
当てはまりません。
※ すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。