416:ブルーライトカットメガネの効果
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
日増しに寒さが加わってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは『ブルーライトカット眼鏡の効果』についてです。
・ブルーライトとは
人間が見ることの出来る可視光線(約380~810nm)という光の中で波長の短い光(青い光約430~490)のことをいいます。携帯やパソコンのモニターなどの電子機器、LED照明などは明るさを出すためにブルーライトを出しているため目への影響が心配されています。
省エネに伴ってLEDが普及していますがLEDとは従来の白熱電球に比べて高寿命、省エネ、更に明るいのが特徴です。しかしこのLEDに特にブルーライトが多いとされています。
・ブルーライトが目に与える影響とは
ブルーライトとは、ここでいう青系色のことです。強い光なので、水晶体や角膜をスルーしてそのまま網膜まで達してしまい、眼の組織や体に深く影響を及ぼしてしまいます。
① 網膜への影響
目の働きの中で網膜の果たす役割は、カメラで例えると“フィルム”のようなものです。ブルーライトを長時間、見続けると、網膜の中心にある黄斑が傷つきます。黄斑の傷つきが進行すると、目の様々な病気を引き起こしてしまう恐れが高まるといわれています。
また、網膜や黄斑という部分に強い光が届くと、酸素が不足し死滅し「加齢黄斑変性」の原因のひとつになります。
② 角膜への影響
角膜をカメラに例えるなら、“フィルター”の部分になります。ブルーライトを見続けると、顔面の三叉神経(さんさしんけい)が刺激され圧迫されます。あまりに圧迫されると、目に強い痛みが走ったり、目の裏がズキズキとするような感覚に襲われることもあるようです。
・ ブルーライトカット眼鏡の効果は本当にあるのか?
ブルーライトカット機能は、医学的に何の根拠も無いと言われています。医学的な研究や検証等はされているのかもしれませんが、正式な論文としてはまだ何も出されていないそうです。
眼科学会での公式の見解も無いことから、メガネ販売メーカーの意見だけをそのまま真に受けるのは危険であると言えます。
ブルーライトは20%や30%、多くても50%位しかカットできていないそうです。
つまり、本当にカットできるものであっても、過度に期待をしてはだめだということです。
ただし、「条件付で効果はある」と答えることができます。ブルーライトという光は確かに存在し、光線が出ている380nmから530nmの紫から青色をある程度遮断していると言えます。
ただしこれを遮断することによって、「医学的にこれは有意義だ」との説明にはなりません。「もしかすると目に悪いかもしれない」程度の推測でしかなく、データ採取や比較検討材料も乏しく、医学会で認められてはいないからです。
・ 対策
①スマホやパソコンを使うときは、目を出来る限り離して使用する。
②長時間使用するときは、休憩を入れる
③画面のモニターや液晶ディスプレイの輝度(コントラスト)を下げる
④スマホよりはパソコンのほうが出ている量は少ないといわれているので、パソコンで出来ることはパソコンで作業をする
ブルーライトメガネは多少なりとも何かをカットしているのは間違いないでしょうから、青い光は神経を興奮させるとも言われていますし寝る前の使用で脳の緊張を和らげてくれるので試しにかけてみるのも手です。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談してください。
●一般の方向けですので医学用語が必ずしも厳密ではありません。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先させてください。