404:プール熱になったらどうすればいい?
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
秋の涼しさが心地よい時期になってまいりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは『プール熱になったらどうすればいい?』です。
■まず、プール熱とは
プール熱とは医学用語では「咽頭結膜熱」といい、アデノウイルス(3型、4型、7型)という微生物によって感染する咽頭扁桃炎と結膜炎のことを指します。
プールを介して感染することが多いので「プール熱」と呼ばれています。子供がよくかかっているイメージを持たれる疾患ですが、大人でもかかります。感染から発症までの潜伏期間は約5~6日といわれており、高熱が3~7日続き、その後扁桃腺と結膜炎の症状が現れます。結膜炎の症状としては、痛みやかゆみがあり、メヤニや涙が出ます。片方の眼から始まりますが、もう一方の眼に移る場合が多いです。
■類縁疾患
このプール熱は一般的に「はやり目」と呼ばれる疾患の一種で、代表的な疾患として他に「流行性角結膜炎」があります。アデノウイルス(8型、19型、37型、54型)によって感染する流行性角結膜炎は、プール熱よりも結膜炎が重く、充血や瞼の腫れ、流涙などの症状が激しく起こる傾向にあります。朝起きたときに瞼が開かないほどメヤニが多く出てしまうといったことも流行性角結膜炎の特徴のひとつです。しかし、プール熱のように扁桃腺の症状や発熱を起こすようなことはありません。
「はやり目」としてはプール熱や流行性角結膜炎の他に、エンテロウイルスによってひき起こされ、結膜下出血を伴う「急性出血性結膜炎」もあります。
■プール熱への対処法
<熱に対して>
涼しい部屋で寝かせ、氷枕などで体の熱を下げましょう。解熱剤は必要以上に使用せず、熱が高くて苦しそうなときや眠れないときのみにとどめるようにしてください。高熱が出ると脱水症状を起こす危険性もありますので、水分は十分取らせるようにしてください。
<結膜炎に対して>
手で目を触らないようにしてください。涙や目やにが出て目を触りたくなったときも、ハンカチではなくティッシュや綿などの使い捨てのものを使いましょう。使い終わったものはビニール袋にまとめて捨てましょう。
<二次感染予防>
他の人への感染を防ぐためにも注意が必要です。保育園や学校、場合によっては職場を休む必要があります。治ったように見えても、医師の許可が出るまで友人や親戚などへ遊びに行ったり、招いたりするのはやめましょう。手指などは水道水を出しっぱなしにして、石鹸でよく洗い、可能であれば70%消毒用アルコールで消毒するようにしてください。
ご家庭内では、タオルや洗面器は別にしましょう。さらに、使い終わったタオル、ハンカチ、下着などはできるだけ煮沸し、乾燥させるといいでしょう。入浴や洗髪は症状がおさまるまでひかえ、シャワー程度にとどめたほうがよいです。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。