398:遠近両用コンタクトを使う際の注意点
こんにちは、新宿東口眼科医院でございます。
最近暑い日が続いておりますが皆さん如何お過ごしでしょうか?
今回のテーマは、「遠近両用のコンタクトを使う際の注意点」です。
遠近両用コンタクトとは
40歳前後から徐々に手元が見にくくなるのは、加齢によりピントの調節能力の幅が狭くなってきているためで、いわゆる老眼ですが、その矯正方法のひとつとして遠近両用眼鏡やコンタクトがあげられます。
遠近両用というと、遠くも近くも良く見えるオールマイティなイメージを持たれる方もいらっしゃるかも知れませんが、例えば裸眼で遠くが良く見える人などは、手元用眼鏡(老眼鏡)による矯正の方が合っている場合もあり、その人の現在の視力矯正方法や生活スタイル、何が見えなくてお困りか等を考慮していく必要があります。
遠くを見るための度数と近くを見るための度数の2つに分かれたタイプ、レンズ中央から周辺に向かって遠用度数、中間用度数、近用度数が分布したタイプなどいくつかの種類があります。
[ 濃い青色は、遠く用の度数]、[水色は近く用の度数 ]、
[ 徐々に色の変化しているのは、中間用の度数 ]を表しています。
【コンタクトを使う時の一般的な注意点】
・コンタクトをつける時は必ず手を洗うこと。
・爪はきちんときっておくこと。
・破損などがあるレンズは使用しないこと。
・女性でお化粧をする方は先にレンズをつけてからお化粧をすること。
・レンズの使用期間を守ること。
・装用時間を正しく守ること。
・取扱い方法を守り、正しく使用すること。
・定期検査を必ずうけること。
・少しでも異常を感じたら、直ちに眼科医の検査をうけること。
・レンズをつけた状態で水泳やダイビングをしないこと。シャワーや洗顔も控えて下さい。
・レンズをつけたまま寝ないこと。必ず外しましょう。
【コンタクトのケアの仕方】
1.【外す】レンズを外す前は必ず石鹸で手を洗いましょう。レンズケースにケア用品の液を十分に入れておきましょう。
2.【洗浄】外したレンズを手の平にのせ、ケア用品の液をたらし、レンズの表裏を指の腹でゆっくりこすり洗いします。
3.【すすぎ】こすり洗いが済んだら、レンズの裏表をケア用品の液で十分にすすいで下さい。
4.【消毒・保存】ケア用品の液を十分に入れたレンズケースにレンズを入れて、キャップをしっかり締めます。消毒に要する時間はケア用品によって異なります。取扱い説明書をお読み下さい。
レンズケースの液は毎日交換しましょう。
【遠近両用コンタクトを使う時特に注意してほしい点】
●夜間運転には注意が必要
暗いところでは、明るいところに比べ、遠方が少し見にくくなることがあります。薄暗くなると、瞳孔が拡大し、近用部分が視界に入りこむので、見え方が悪くなります。光がにじんだり標識が見えにくくなることもあるので注意が必要です。
●初めての方の長時間の使用に注意
初めての方は見え方の質が若干低下することがあります
細かい作業や車の運転などは見え方に慣れてから行うようにしてください。
『今まで使っていた眼鏡』と併用するのがおすすめです。
最初の装用時間は人にもよりますが、最短で10~30分くらいでも結構ですし、負担にならないなら4~5時間くらいからでもよいかと思います。
遠近両用は眼鏡でもコンタクトでもある程度の慣れが必要で、視力検査の段階では良く見えても、実際に使って見ると違和感を感じる場合もあります。また、昼と夜で見え方が異なる場合もあります。コンタクトの場合なら、まずはトライアルからお試しでき、処方変更などに柔軟に対応してくれる眼科・販売店を選んだ方がよろしいかと思います。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。