こんにちは、新宿東口眼科医院です。
蒸し暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回のテーマは「ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズの違い」です。
ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズにはそれぞれメリット・デメリットがあり一概にどちらがいいとは断言できません。従来、酸素透過性が高いという観点からは、ソフトコンタクトレンズよりハードコンタクトレンズが第一に推奨される傾向がありましたが、現在では技術の進歩によりシリコンハイドロゲルという酸素透過性が高い素材のソフトコンタクトレンズが多数登場してきたため、より多くの場合でシリコンハイドロゲル素材のソフトコンタクトレンズも推奨される傾向にあることは事実です。他方、入れ心地を重視したハードコンタクトレンズ等もあり、今でも、ケースによってハードのほうが有利である場合もありますので、ご説明します。
ハードコンタクトレンズの概要
ハードコンタクトレンズは比較的、酸素透過性の高い、硬いレンズです。直径はソフトコンタクトレンズに比べると小さく、通常黒目の上にのり白目は覆いません。
ソフトコンタクトレンズの概要
従来のソフトコンタクトレンズ(HEMA素材)は、水分を介して酸素を通すしくみで、シリコンハイドロゲル素材のソフトコンタクトレンズはコンタクトレンズ自体が酸素を通すことができ、ハードコンタクトレンズと同等の酸素透過性を実現したソフトレンズです。ソフトコンタクトレンズの直径はハードコンタクトレンズより大きく、角膜全体と白目の一部を覆います。
見え方での違い
ハードコンタクトレンズは瞬きによって眼の中で上下に動くため、慣れるまで見えにくく感じる方もいます。一方ソフトコンタクトレンズを使用する方の中には普段ハードコンタクトレンズを使用する方のなかにはソフトコンタクトレンズの方は見え方がぼやっとしていると感じる方もいます。
乱視矯正能力の違い
通常のソフトコンタクトレンズでは、素材がやわらかいので乱視矯正はほとんどできません。乱視矯正は別途、乱視用のソフトコンタクトレンズが必要になります。乱視が強い場合や、乱視の種類によってはソフトコンタクトレンズでは矯正できない場合もあります。一方ハードコンタクトレンズは、レンズが硬いために、ソフトレンズに比べて乱視矯正効果が強いです。
装用感での違い
ハードコンタクトレンズはレンズが硬いためにはじめは異物感を感じやすいです。また、眼に傷がついてしまっている時にハードコンタクトレンズを装用すると、強い刺激を感じて眼の異常に気がつきやすいと言われています。ソフトコンタクトレンズは、装用感が良く、慣れればレンズを装用している感覚がほとんどない方が多いです。ただ、装用感が良いために、目に傷があっても異常に気付かず病気の発見が遅くなってしまう恐れがあります。
衛生面の違い
1dayタイプ使い捨てソフトコンタクトレンズは、1回使い切りなので、ケアは要らず非常に衛生的です。2週間タイプ使い捨てソフトコンタクトレンズでは、きちんとケア(洗浄、消毒、保存)をしないと細菌が付着してしまうことがあります。もちろん、ハードコンタクトレンズであってもしっかりとしたケアが必要ですが、両方を比べた場合にはソフトコンタクトレンズの方が水分を含んでいるので衛生面でのトラブルが多いと言われています。ハードコンタクトレンズには使い捨てのものはありません。コンタクトレンズの使用頻度が少ない方は、極端に乱視が強い等の問題がなければ1dayタイプが衛生的であるといえます。
まとめ
コンタクトレンズを使用する方がどのような点を重視するのか(入れ心地やケアの有無、コストパフォーマンス等)、どのような場面で使用するか(旅行やスポーツの時だけ使う等)、乱視の強さはどうか等が選択に関わってきます。双方のメリットデメリットを見比べて自身に合ったレンズを選ぶようにしましょう。
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ハードコンタクトレンズ |
ソフトコンタクトレンズ |
メリット |
酸素供給量が多い
角膜障害が早期発見できる
乱視矯正ができる
取扱いがしやすい |
装用感がよい
初めてでも慣れやすい(個人差があります)
激しいスポーツも可能(はずれやすい) |
デメリット |
慣れが必要(1~2週間 ※個人差があります)
激しいスポーツに向いていない(ズレ・脱落しやすい) |
角膜障害に気付きにくい
乱視矯正ができない(乱視用コンタクトレンズにて対応が必要)
ランニングコストが高い(使い捨ての場合) |
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。